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DITAのドキュメント制作では、ドキュメントをトピックというコンポーネント単位で編集します。編集完了したドキュメントを出版物にする工程を“パブリッシング”と言います。パブリッシングは、HTML、PDFなどの媒体別に自動処理で行ないます。
この方法は、予めプログラムした手続きで一気にPDFを作る、“バッチ処理”です。DITAで制作したドキュメントのパブリッシングは、DTPとは根本的に異なります。
PDF(紙)へのパブリッシングは、
1.多数のトピックを、マップの指定どおりに、ひとつの出版物に組み立てた上でXSL-FOに変換
2.XSL V1.1準拠の自動組版ソフト(XSL-FOプロセサ)を用いてXSL-FOをPDFにする
という、大きく分けて2つの過程を経て行われます。この時、何が行われているのかを見てみましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
DITA-OT | 作成された大量のDITAトピック(コンテンツ)を、トピック配置を決めるマップに従って組み合わせたり、間接参照を解決するなどの事前処理を行います。 DITA-OTには後ほど紹介するPDFプラグイン、XSL-FOプロセサが搭載されています。 |
PDFプラグイン | DITA-OTが事前処理をして生成された中間ファイルを、PDFとして出力できるようにするためにXSL-FOに変換します。
DITA-OTには、PDFパブリッシング用にPDF2というプラグインが組み込まれていますが、プログラムの作りが良くないので利用を推奨しません。 代わりにアンテナハウスではより優れたPDFプラグイン、PDF5-MLをオープンソースでご提供しております。弊社はPDF5-MLのご利用をお勧めします。 |
XSL-FOプロセサ | PDFプラグインが生成したXSL-FOをPDFにレンダリングします。DITA-OTには予め、FOPというオープンソースのXSL-FOプロセサが組み込まれており、PDF2はデフォルトでFOP用のXSL-FOを生成します。 PDF2は、AH Formatter、XEPという二つの商用XSL-FOプロセサ向けのXSL-FOも生成できます(商用XSL-FOプロセサは別途購入の必要があります)。しかし、FOPではXSL1.1仕様に基づいた索引の作成などができず、日本語組版の機能も不十分です。 PDF5-MLはAH Formatter専用のAH拡張機能を付加し、索引の作成はもちろん優れた日本語組版にも対応したXSL-FOを生成します。 |
DITA-OTをダウンロードして解凍すると“doc”フォルダーに‘userguide.pdf’(「DITA-OTユーザーガイド」)があります。以下、DITA-OT付属の「DITA-OTユーザーガイド」によりポイントを紹介します。
Windows版はZIP形式、Linux/Mac版はtar.gz形式で用意されています。
プログラム | 説明 |
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JDKまたはJRE Ver. 7以降 | Oracleからダウンロードして実行環境を整えておく必要があります(必須)。 http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/overview/index.html |
Ant Ver. 1.7.1以降 | Javaプログラムのビルドツールです。同梱されています。 |
XSLTプロセッサ | XSL変換を行なうツールです。Saxon Ver.9.1が同梱されています。 |
ICU for Java | Unicodeベースの国際化ライブラリーです。ロケール依存の文字列:日付・時刻・数字・通貨・メッセージの整形、テキスト境界、文字集合の変換を行ないます。 Ver.54.1が同梱されています。 |
MS Help Workshop | HTMLヘルプを生成するとき必要です。必要ならば自分でMSのサイトから入手します。 |
XSL-FOプロセッサ | PDF2でPDFを生成するときに使います。DITA-OTにはFOP Ver. 1.1が同梱されています。 |
DITA-OTを実行する方法は、OS環境によって異なります。Windowsの場合は次のとおりです。
ant -Dargs.input=input-file -Dtranstype=transformation-type -Dparametername=value
DITA-OTをインストールした状態では、DITAからXSL-FOへの変換はPDF2プラグインが動作します。XSL-FOプロセサを切り替えてAH Formatterを指定したときは、PDF2で作成したXSL-FOをAH Formatterで組版することになります。
PDF5-MLは、DITAからXSL-FOへの変換処理をPDF2に代わって行ないます。次のような特長があります。
PDF5-MLをDITA-OTのプラグインに追加する方法の概略は次のとおりです。詳しくは、PDF5-MLをダウンロードして解凍すると「pdf5-ml_manual.pdf」がありますので、詳細はそちらを参考にしてください。
ant -f integrator.xml
実際のDITAによる制作プロジェクトにあたっては、PDF作成について次のような質問が多く寄せられます。
質問に一般的な回答はありません。DTPレイアウトとDITAのPDFパブリッシングは、実現方法がまったく異なるためです。
PDFのレイアウトをご要望にあわせるには、PDF5-MLのXSL変換をカスタマイズすることになります。
PDFのレイアウトをどこまで高度にできるかは、XSL変換スタイルシート開発者の技量とXSL-FOプロセサの機能に依存します。 PDF5-MLをAH Formatterを組み合わせてご利用いただくことで、世界最高水準の自動組版レイアウトを実現できます。
さらに複雑なレイアウトを実現する場合には、OASIS DITAのDTDまたはスキーマを拡張する(特殊化する)ことが必要な場合があります。特殊化した場合は、オーサリングも変更になります。
アンテナハウスでは、PDF5-MLのXSL変換のカスタマイズ、OASIS DITAの特殊化を承っています。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
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メール | sis@antenna.co.jp |