第7章 Markup Compatibility and Extensibility

無視してよい名前空間を示す

mc:Ignorable

アプリケーションはmc:Ignorableに指定された名前空間に対応していないとき、その名前空間の要素・属性を無視して処理を継続できます。無視される名前空間の要素・属性は、XMLを検証する場合などでは除かれることになります。

mc:Ignorable属性には、名前空間を接頭辞で指定します。複数の接頭辞を指定する場合、半角スペースを区切り文字とします。

このとき、後述する指定を行わない場合、その要素の子孫も無視されます。

mc:Ignorableのイメージ
mc:Ignorableのイメージ
IgnorableのあるWordprocessingML文書
<w:document ... mc:Ignorable="antenna">
  ...
    <w:p ...>
      <w:pPr ...>
        ...
      <w:pPr ...>
      ...
    ...
    <antenna:rWrap>
      <w:r>
      ...
        <w:t ...>拡張テキスト</w:t>
      </w:r>
    </antenna:rWrap>
    <w:r>
    ...
    <w:t ...>拡張でないテキスト</w:t>
    </w:r>
  </w:p>
</w:document>

拡張した名前空間antennaを含む文書を、この拡張に対応していないアプリケーションで開いたとき、Ignorableに指定されたantenna名前空間のrWrap要素はその子孫ごと無視されます。

名前空間antennaに対応していないアプリケーションで開き、保存した結果
<w:document ... 
  ...
    <w:p ...>
      <w:pPr ...>
        ...
      <w:pPr ...>
      ...
    ...
    <w:r>
    ...
    <w:t ...>拡張でないテキスト</w:t>
    </w:r>
  </w:p>
</w:document>

「拡張テキスト」を含むrは通常のWordprocessingML名前空間です。mc:Ignorableの有効なスコープは記述した要素以降の子孫であるため、通常ルート要素で指定します。しかし、ルート以外の位置でも指定できます。