文書情報の名前空間
文書情報を記述する要素の一部はメタデータの規格であるDublin Coreに基づきます。Dublin Coreの名前空間は、上の例では接頭辞に「dc」を含むものです。cp:revisionなど、OPC固有のメタデータもあります。
MS Officeで作成したOOXMLのパッケージには通常docPropsフォルダがあり、そのフォルダにはcore.xmlとapp.xmlの2つのファイルが存在します。
これらはパッケージの文書情報を記述するためのパーツとなります。記載すべき情報がないような場合、これらのパーツが存在しなくともパッケージとして不正ではありません。
core.xmlにはOPCに基づくパッケージで共通する文書情報(あるいはメタデータと呼びます)が記述されています。
app.xmlはPresentationMLであればプレゼンテーションの形式など、それぞれのオフィスアプリケーションで固有の情報を記述します。
core.xmlには文書情報が記録されています。coreProperties要素をルートとして、次の表の要素が列挙され、要素に該当する文書情報が格納されます。
要素名 | 説明 |
---|---|
category | パッケージカテゴリー |
contentStatus | 内容のステータス |
contentType | 内容タイプ |
created | 作成日 |
creator | 作成者 |
description | リソースの内容に関する説明 |
identifier | リソースの参照 |
keywords | キーワード |
language | 言語種別 |
lastModifiedBy | 最終更新者 |
lastPrinted | 最終印刷日 |
modified | 更新者 |
revision | リビジョン |
subject | 表題 |
title | タイトル |
version | バージョン |
文書プロパティの内容が、次のようにcore.xmlに反映されます。
文書情報を記述する要素の一部はメタデータの規格であるDublin Coreに基づきます。Dublin Coreの名前空間は、上の例では接頭辞に「dc」を含むものです。cp:revisionなど、OPC固有のメタデータもあります。
docProp/app.xmlはExtended File Properties Part(拡張ファイルプロパティパーツ)というパーツです。OOXMLで共通の文書情報と、それぞれのアプリケーションのための文書情報を記述します。
要素名 | 説明 |
---|---|
Template | 文書テンプレート名 |
Manager | 管理者名 |
Company | 会社名 |
Pages | 総ページ数 |
Words | 単語数 |
Characters | 文字数 |
PresentationFormat | プレゼンテーション形式 |
Lines | 行数 |
Paragraphs | 段落数 |
Slides | スライドメタデータ要素 |
Notes | コメントを含むスライド数 |
TotalTime | 総編集時間 |
HiddenSlides | 隠されたスライド数 |
MMClips | 総マルチメディアクリップ数 |
ScaleCrop | サムネイル表示モード |
HeadingPairs | 見出し |
TitlesOfParts | タイトル |
LinksUpToDate | 最新状態へのリンク |
CharactersWithSpaces | スペースを含む総文字数 |
SharedDoc | 共有ドキュメント |
HyperlinkBase | 相対ハイパーリンクベース |
HLinks | ハイパーリンクリスト |
HyperlinksChanged | 変更されたハイパーリンク |
DigSig | 電子署名 |
Application | アプリケーション名 |
AppVersion | アプリケーションバージョン |
DocSecurity | 文書セキュリティ |
「拡張ファイルプロパティパーツ」という名称は、OPCで定義されるCore Propertiesに対しての拡張を指すもので、OOXML仕様としては基本的な仕様です。app.xmlにない拡張プロパティを記述するには、Custom Properties Partというパーツを利用します。Custom Propertiesについては本書では扱いません。
名前空間、XMLスキーマとしてはWordprocessingML、SpreadsheetML、PresentationMLのいずれも共通となります。
アプリケーション情報に関連するほかのパーツとして、サムネイル画像を保持するThumbnail Partや電子署名用のElectric Signature Partが存在します。