第3章 WordprocessingML

Styles

スタイル定義パーツ

word/styles.xmlはスタイル定義を行うパーツです。WordprocessingML文書のスタイル情報が列挙されています。WordprocessingMLで使用されるスタイルには、次の種類があり、これらのすべての情報が列挙されています。

  • 段落スタイル
  • 文字スタイル
  • テーブルスタイル
  • 番号付けスタイル

スタイル定義のルート要素はstyles要素です。

docDefaults要素がそのWordprocessingML文書の既定スタイルとなります。

Wordで使われる段落スタイルなどの名前付きで定義されているさまざまなスタイルはstyle要素で表されます。1つのstyle要素が1つのスタイル情報を持っています。

style要素はtype属性をもち、type属性の値によってスタイルの種類を判別することができます。

style要素のtype属性値の種類
type属性値 スタイル種類
paragraph 段落
character 文字
table テーブル
numbering 番号付け
styles.xmlの構造例
styles.xmlの構造例

style要素はtype属性を含め、次の4つの属性を持っています。styleId属性値はメイン文書からの参照に利用されます。

  • type
  • styleId
  • default
  • customStyle

style要素はその書式の詳細を示す子要素を持ちます。次にスタイルの詳細を示すためのstyle要素の子要素一覧を示します。

要素名 説明
name スタイル名
aliases 派生スタイル名
basedOn 親スタイルID
next 次の段落のスタイル
link スタイル参照のリンク
autoRedefine 自動的にユーザ定義の形式を反映する
hidden 表示しない
uiPriority スタイルの表示順序
semiHidden 表示しないスタイル
unhideWhenUsed 使用されたスタイルを表示する
qFormat プライマリスタイル
locked 使用不可にする
personal Eメール用テキストスタイル
personalCompose E-Mail Message Composition Style
personalReply Eメール用返信スタイル
rsid スタイル定義の改定情報
pPr スタイルの段落属性
rPr Run属性
tblPr テーブルスタイル属性
trPr テーブル行スタイル属性
tcPr テーブルセルスタイル属性
tblStylePr 条件付きテーブル表示属性

メイン文書からの参照

メイン文書(document.xml)では、pPr、rPr、tblPrなどの要素内において参照するスタイルのidが指定されています。

次のようなスタイルテーブルを考えます。

スタイルテーブル
<w:style w:type="paragraph" w:default="1" w:styleId="a">
  <w:name w:val="Normal"/>
  <w:qFormat/>
  <w:rsid w:val="00A23300"/>
  <w:pPr>
    <w:widowControl w:val="0"/>
    <w:jc w:val="both"/>
  </w:pPr>
</w:style>

w:styleId="a"がこのスタイルのid値であり、メイン文書から参照されます。この値はスタイルテーブル内で固有で、各スタイルが個々の値を持っています。この例ではtype属性の値を見ると段落スタイルであることがわかります。メイン文書の段落スタイルでは次のように指定されています。

段落書式でのスタイル参照
<w:pPr>
    <w:pStyle w:val="a"/>
</w:pPr>

pStyle要素では段落スタイルを指定します。val属性の値("a")がスタイルのid値を示します。