4. コマンドラインの使い方

4.1. PDF Driver V8.0のインストールとアンインストール

コマンドラインを利用するには、実行環境にPDF Driver V8.0をインストールする必要があります。

次に、PDF Driver V8.0のインストールとアンインストールの方法を説明します。

4.1.1. インストール

4.1.1.1.インストールを実行する前の注意事項

  • インストールは、管理者権限を持つユーザーがログインしている環境で行ってください。
  • インストールを行う環境において、すべての印刷が終了していることを確認してください。
  • インストールを行う環境において、すべてのアプリケーションが終了していることを確認してください。

4.1.1.2.インストール方法

  1. PDFDriver_setupフォルダにあるAHPDFDriver80_setup.exeをダブルクリックするなどして起動します。
  2. ダイアログが表示されますので、指示にしたがってインストールを実行します。
  3. インストールの途中に、Microsoft Visual C++ 2015-2022再頒布パッケージのインストーラが起動する場合があります。起動した場合は、指示にしたがって必ず再頒布パッケージをセットアップしてください。
  4. インストールが完了すると、「コントロールパネル」の「デバイスとプリンター」に「Antenna House PDF Driver 8.0」のプリンターアイコンが表示されます。
  5. デフォルトのインストール先フォルダパスは下記です。

 {システムドライブ}:\Program Files\Antenna House\PDF Driver 8.0

  • インストール終了後、システムの再起動が促される場合があります。

4.1.2. アンインストール

4.1.2.1.アンインストールを実行する前の注意事項

  • アンインストールは、管理者権限を持つユーザーがログインしている環境で行ってください。
  • アンインストールを行う環境において、すべての印刷が終了していることを確認してください。
  • アンインストールを行う環境において、すべてのアプリケーションが終了していることを確認してください。

4.1.2.2.アンインストール方法

  1. コントロールパネルの「プログラム」‐「プログラムと機能」を開きます。
  2. インストールされているプログラム一覧が表示されます。
  3. プログラム一覧にある「Antenna House PDF Driver V8.0」を選択し「アンインストール」をクリックします。
  4. 指示にしたがってアンインストールを実行してください。
  • アンインストール終了後、システムの再起動が必要となる場合があります。

4.2. 実行に必要なファイル

コマンドラインのモジュールファイルは、「PDFDriverAPI」フォルダにあります。

任意の場所に配置してください。

ファイル名

内容

PdfDrvCmd80.exe

コマンドライン実行ファイル

PdfDrvAPI80AH.dll

PDF Driver APIライブラリファイル

4.3. オプションの種類

オプション

内容

-d “入力ファイル名”

※必須

出力元の文書ファイル名をフルパスで指定します。

(例) -d “c:\test\sample.docx”

-o “出力ファイル名”

※必須

出力先のPDFファイル名をフルパスで指定します。

(例) -o “c:\sav\out.pdf”

-p (“プリンター名”)

使用するプリンター名を指定します。対象となるプリンターは、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるものです。

・プリンター名を指定した場合は、そのプリンターで印刷が行われます。

・プリンター名が省略された場合、あるいは、「-p」自身の指定が省略された場合は、API側でプリンターを選択して印刷を行います。

・存在しないプリンター名が指定された場合、API側で指定された名前のプリンターを作成します。この場合、印刷処理が終了したら作成されたプリンターは削除されます。

-i "設定ファイル名"

-i "設定ファイルフルパス"

印刷設定ファイルを指定します。ファイル名のみでフォルダパスの指定がない場合は、あらかじめインストールされる場所、ユーザーのカスタム設定の場所の順に検索します。

・インストール場所:{インストールフォルダ}\Settings

・カスタム設定の場所:{システムドライブ}:\Users\{ログインユーザー名}\AppData\Roaming\AntennaHouse\PDF_Driver\8.0\CustomSettings

-a

1ページごとに1つのPDFファイルを出力します。Excelファイルの場合は1シートごと(非表示シートを含まない)、PowerPointファイルの場合は1スライドごと(非表示スライドを含まない)に1つのPDFファイルを出力します。

「-addin」(アドイン変換)との併用はできません。

-start “開始ページ番号”

PDFの出力を開始するページ番号を指定します。「-1」は先頭ページを指します。

Excelファイルの場合はシート番号(非表示シートを含まない)、PowerPointファイルの場合はスライド番号を指定します。

「-end」の指定がない場合は、「-start」以降最終ページまで出力されます。

PowerPointの非表示スライドについて、「-addin」(アドイン変換)指定時は出力に含まれます。「-addin」を指定しない場合は出力に含まれません。

-end “終了ページ番号”

PDF出力を終了するページ番号を指定します。「-1」は最終ページを指します。Excelファイルの場合はシート番号(非表示シートを含まない)、PowerPointファイルの場合はスライド番号を指定します。

PowerPointの非表示スライドについて、「-addin」(アドイン変換)指定時は出力に含まれます。「-addin」を指定しない場合は出力に含まれません。

-addin

Officeアドイン機能を利用してPDFを出力します(Word/Excel/PowerPointのみ)。

アドイン用オプションは、出力時のアドイン設定ダイアログの設定値となります。コマンドラインからは設定変更できません。

「-a」との併用はできません。

-word.Item [0/7] ※1

Wordファイルの出力時、変更箇所を含むか否かを指定します。

-word.Item 0 : 変更箇所を含めずに出力する(デフォルト)

-word.Item 7 : 変更箇所を含めて出力する

アドイン変換「-addin」と同時に指定された場合、この設定は無視され、変更箇所を含まずに出力されます。

Excel・PowerPoint・一太郎・テキストの各ファイルが指定された場合、この設定は無視されます。

-silent

指定がある場合、標準出力へのメッセージ表示が抑止されます。

-h

-?

コマンドラインの使い方が表示されます。

※OEMライセンスでは、Officeアドインはオプション機能です。

※1 8.0.15.1以降で利用できます。

4.4. コマンドの使用例

処理内容

コマンド

WordファイルをPDF出力する

PdfDrvCmd80.exe -d c:\test\in.docx –o c:\test\out.pdf

Excelファイルの2シート目から4シート目をPDFファイルに変換する

PdfDrvCmd80.exe -d c:\test\in.xlsx -o c:\test\out.pdf -start 2 -end 4

PowerPointファイルを指定の印刷設定で変換する

PdfDrvCmd80.exe -d c:\test\in.ppt -o c:\test\out.pdf

-i c:\settings\custom.ps4

4.5. 終了コード

32bit符号付き整数。ただし、マイナス値は返しません。

Windows APIのGetExitCodeProcess()で取得できます。

0  =正常終了

0以外=エラー : 上位WORD:エラーの大分類

          下位WORD:エラーの詳細

上位

下位

0x0001

コマンド自体の処理に起因するエラー

0x0001

引数がない

0x0002

入力ファイル(-d)が指定されていない

0x0003

出力ファイル(-o)が指定されていない

0x0010

ページ数(シート数/スライド数)の取得に失敗

0x0002

プリンター選択に関連するエラー

0x0001

パラメータが不正

0x0002

指定されたプリンターが存在しない

0x0003

メモリ不足

0x0004

指定されたプリンターが他のスレッドで使用中

0x0005

プリンター名として使用できない名前

0x0006

レジストリ[HKEY_CURRENT_USER\Printers]にアクセスできない

0x0003

変換エラー

*********

変換エラーコード一覧」のエラーコード

0x2102

プリンター選択に関連しWindows APIに起因するエラー

*********

Windows APIのGetLastError()の値

4.6. 変換エラーコード一覧

エラー値

概要

対処方法

0

処理に成功

1

無効な操作

2

指定したプリンターは存在しない

3

メモリ不足。またはバッファ不足

4

選択したプリンターは他のスレッドで使用中

・「-p」で同じプリンター名を指定するコマンドが複数動作している場合に発生する。この場合、他のコマンドが終了するのを待機する

・「-p」を指定しない、あるいは「-p」でプリンター名を指定しないコマンドが複数動作しているときに発生した場合、モデル名「Antenna House PDF Driver 8.0」のプリンターの複製を追加してください

5

プリンター名として使えない名前

他の名前を使う

6

レジストリにアクセスできなかった

PDF Driverに対しユーザーにアクセス許可を与える

7

コールバック関数で例外が発生した

8

プリンタードライバーがインストールされていない

9

名前を指定されたプリンターが無い

10

プリンターの作成に失敗

ユーザーにプリンター作成の権限を付与する

11

プリンターの削除に失敗

「-p "存在しないプリンター名"」指定により作成されたプリンターが他のプログラムで使用されている可能性が高い。そのプログラムを終了する

12

APIのMemory Mapped File(MMF)にアクセスできない

splwow64.exeを強制終了するし、spoolサービスを再起動する

13

Win32APIのCreateMutexに関連するエラー

14

プリンターを開けない

ユーザーにPRINTER_ACCESS_USEの権限を与える

15

プリンターの情報/設定の読み書きができない

PDF Driverに対しユーザーにアクセス許可を与える

16

Win32のEnumPrinterに関連するエラー。プリンターを列挙できない。

PDF Driverに対しユーザーにアクセス許可を与える

17

設定ファイルが読めない

18

指定された名前のファイルは無い

フルパスを渡す

19

指定されたファイルが開けない

・他のプログラムで該当のファイルを開いていないか確認する

・読み取り権限を付与

20

COMのエラー

21

非対応のファイル

ファイルの形式と拡張子を確認する

50

設定でPDF/X指定だが文書タイトルがない

文書情報の「タイトル」に有効な文字列を指定する

51

設定でPDF/X指定で仕上がりサイズと裁ち落としサイズの関係が不正

仕上がりサイズを裁ち落としサイズに収まるよう設定値を変更する

100

設定ファイルが無い

・設定ファイルが存在するかどうかを確認

・フルパスを渡す

101

設定ファイルが正しい形式でない

102

設定ファイルが書き込みできない

・ファイル名を確認の上、フルパスで渡す

・フォルダへの書き込み権限の確認

103

設定ファイルをプリンタードライバーに送れない

splwow64.exeを強制終了するし、spoolサービスを再起動する

109

その他設定ファイルに関するエラー

APIで指定している設定ファイル名が正しい名称かどうかを確認する

150

入力ファイルを読めない

・ファイルが存在するか確認する

・フルパスを渡す

・フォルダのアクセス権限を確認

151

入力ファイルにパスワードが設定されている

152

非対応のファイル形式

・通常変換(convertFile)においては、Word/Excel/PowerPoint/テキスト/一太郎以外のファイルを変換しようとしていないかどうか確認する

・アドイン変換(convertFileAddin)では、Word/Excel/PowerPoint/テキスト以外のファイルを変換しようとしていないかどうか確認する

153

変換に失敗した。詳細な理由は不明

154

出力ファイルに書き込めない

・フォルダにファイルの作成、読み書きの権限を付与する

・書き込み先の同名ファイルを削除または移動する

・出力先に指定したフォルダパスの存在を確認

155

COMの操作に失敗

156

ページ数の取得に失敗した

157

入力ファイルにデータが無い

158

プリンターの変更ができない

159

タイムアウトした。

160

パラメータ不正

入力ファイル名の長さをMAX_PATH以内にする

161

アドインのロードに失敗した

162

PDF Driverのバージョンが期待したバージョンと異なる

163

Microsoft OfficeのCOMの登録が見つからない

164

ICCファイルが存在しない

指定したICCファイルが存在するか確認する

165

動的にロードされるDLLがない

・インストールフォルダにDLLが存在するか確認

・VCランタイムがシステムに入っているか確認

166

出力フォルダがない

・出力先フォルダにアクセス権を付与

・ネットワークパスの場合はアクセス可能か確認

181

ライセンスの期限切れ

ライセンスの更新(=保守契約の更新)

182

ライセンスファイルが見つからない

l{インストールフォルダ}\icフォルダにPDF Driver API用ライセンスファイルを配置する

183

PDFDriverが使用できない

・「-p」で指定したプリンターが他で動作しているコマンドで使用されている場合はその終了を待機する

・モデル名「Antenna House PDF Driver 8.0」のプリンターの複製を追加する

184

機能はまだ実装されていない

185

印刷可能なアプリがない

Word,Excel,PowerPoint,一太郎をインストールする

186

ユーザーによってキャンセルされた

190

その他のエラー

200

Excel処理中のエラー

201

ExcelのCreateInstanceのエラー

Excelの(再)インストール

202

Excelでファイルを開くときのエラー

204

Excelで印刷時のエラー

205

Excelでプリンター選択できなかった

206

Excelで印刷設定のエラー

208

Excelでシート数を取得できなかった

210

Excelで印刷オプションの設定に失敗した

212

Excelでワークブック選択に失敗した

213

Excelで印刷以外のCOMの操作に失敗

300

Word処理中のエラー

301

WordのCreateInstanceのエラー

Wordの(再)インストール

302

Wordでファイルを開くときのエラー

304

Wordで印刷時のエラー

305

Wordでプリンター選択できなかった

306

Wordで印刷設定のエラー

307

Wordでバックグラウンド印刷設定できなかった

308

Wordでページ数を取得できなかった

309

Wordで範囲外のページを指定した

開始ページ番号やセクションの設定を確認する

310

Wordで印刷オプションの設定に失敗した

312

Wordでドキュメント選択に失敗した

313

Wordで印刷以外のCOMの操作に失敗

316

Wordでファイル保存時のエラー(一時ファイル等)

318

Wordで座標取得のエラー

319

Wordで用紙の向きの取得/設定に失敗

320

Wordで移動に失敗

400

PowerPoint処理中のエラー

401

PowerPointのCreateInstanceのエラー

PowerPointの(再)インストール

402

PowerPointでファイルを開くときのエラー

404

PowerPointで印刷時のエラー

405

PowerPointでプリンター選択できなかった

406

PowerPointで印刷設定のエラー

408

PowerPointでスライド数を取得できなかった

409

PowerPointで範囲外のスライドを指定した

開始スライド番号、非表示スライドを確認する

410

PowerPointで印刷オプションの設定に失敗した

412

PowerPointでプレゼンテーション選択に失敗した

413

PowerPointで印刷以外のCOMの操作に失敗

419

PowerPointで用紙の向きの取得/設定に失敗

420

PowerPointで移動に失敗

421

PowerPointで最終版情報を取得/解除に失敗

500

一太郎処理中のエラー

501

一太郎のCreateInstanceのエラー

一太郎の(再)インストール

502

一太郎でファイルを開くときのエラー

「一太郎」が起動している場合は終了後、PDF Driver APIのプログラムを実行してください

504

一太郎で印刷時のエラー

505

一太郎でプリンター選択できなかった

508

一太郎でページ数を取得できなかった

509

一太郎で範囲外のページを指定した

512

一太郎でドキュメント選択に失敗した

513

一太郎で印刷以外のCOMの操作に失敗

514

一太郎でマクロの実行に失敗

4.6.1. パスワード付きファイルに対するエラーコードについて

Word、Excel、PowerPoint の読み取りパスワード、書き込みパスワードが付いたファイルに対する動作は、通常変換とアドイン変換関数(-addinオプション)では以下のように異なっています。

拡張子

パスワード種類

通常変換

アドイン変換

doc

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エラーコード「151」

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エラーコード「402」*

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エラーコード「151」

エラーコード「151」

pptx

書き込み

エラーコード「402」*

エラーコード「402」*

※1 OEMライセンスでは、Officeアドインはオプション機能です。

※2 表内の「*」が付いているエラーコードは、改訂19(8.0.19.0)以降におけるエラーコードです。

改訂18以前は「153」または「20」です。