9. 制限事項
9.1. PDF Driver API のサーバーサイド使用における制限事項
1. Microsoft は、Microsoft Office(以下Office)のオートメーションをサーバーサイドで使用することについての技術サポートを行っていません。また、ライセンスを持たないワークステーションに対しサーバーサイドでOffice サービスを提供することも許可していません。
参考情報:Office のサーバーサイド オートメーションについて
PDF Driver API はOffice のオートメーションを利用したAPI です。したがって、PDF Driver API を使用しWord/Excel/PowerPoint 各ファイルのPDF 出力を行うプログラムをサーバーサイドで運用する場合には、Office のライセンス規約にしたがわなければなりません。このような場合、弊社のPDF Driver API のライセンスとは別に、お客様が構築されようとしているサーバー(サービス)を利用するすべてのユーザー(クライアント)がOffice のライセンスを持つ必要があります。このような使用方法をお考えの場合には、Office のライセンスについてもご注意ください。Office のライセンスについてはMicrosoft にお問い合わせください。なお、Office のライセンス違反等の問題が発生いたしましても当社は一切関知いたしません。
2. PDF Driver API を利用したプログラムの実行ファイルと、PDF Driver API が印刷を行うアプリケーション(Microsoft Office、ジャストシステム 一太郎)は同じセッションで動作させる必要があります。
9.2. PDF Driver API のそのほかの制限事項
- PDF Driver APIを利用してMicrosoft Word / Excel / PowerPoint、ジャストシステム 一太郎の各ファイルのPDF出力処理を行う場合、これらのアプリケーションのCOM(Component Object Model)を使用します。アプリケーションが更新されたりバージョンアップされたとき、出力PDFの内容が更新/バージョンアップ前の結果と異なる、あるいは元文書のレイアウトやデザインと異なる、PDF変換できない、Officeアドイン変換のオプションが効かない、印刷速度が遅くなるなど印刷品質への影響や、COMの動作が変わりPDF Driver APIの動作への影響が出る場合があります。
- Microsoft365の場合、頻繁に更新や機能の追加が行われます。PDF Driver、PDF Driver APIへの影響が確認されたとき、それらにすぐに対応できない場合があります。
- PDF Driver APIは印刷アプリケーション(Word / Excel / PowerPoint / 一太郎)の動作に依存します。このため、停止しないで動作することは保証していません。停止が問題になるようなサービス等では、上位システムでエラーや停止時の対処また負荷分散などの機能を組み込まれる事を推奨いたします。
- PDF Driver APIの動作環境は、印刷アプリケーション(Word / Excel / PowerPoint / 一太郎)の動作環境に準じます。ご利用になる印刷アプリケーションの動作環境をご確認ください。
- PDF Driver API V8.0は、PDF Driver V7.5以前のPDF Driverを制御することはできません。
- PDF Driver V8.0は、PDF Driver API V7.5以前のAPIでは制御できません。
- PDF Driver APIを利用して印刷を行うプログラムが動作している環境では、PDF Driver API 以外からPDF Driverが使用されないようにしてください。
- PDF Driver APIを利用して印刷を行うプログラムが、ひとつのユーザー環境で複数同時に動作する場合は、あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意してください。製品付属の「プリンターの追加と削除ツール」でプリンターの複製を作成することができます。
- PDF Driver APIを利用した複数スレッド構成のプログラムにおいて各スレッドで印刷を行う場合、あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意してください。製品付属の「プリンターの追加と削除ツール」でプリンターの複製を作成することができます。
- PDF Driver APIを使用したプログラムを設計するさい、1つのスレッドから同時に2つの印刷処理が行われないよう制御する必要があります。1つのスレッド内で2つ以上同時に印刷を行うと、プリンタードライバーは正常に動作しません。
- Microsoft Office アドインを使用したPDF出力は Microsoft Office Word/Excel/PowerPoint 文書のみが対象となります。
- PDF出力中に元アプリケーションがエラーとなった場合、PDFの生成は中止されます。
- PDF Driver APIを使用したプログラムにおいて、セクションが複数存在するWordファイルのPDF 出力では、印刷ページ範囲指定や1ページ単位でのPDF出力が正常に動作しない場合があります。
- Excelファイルにおいて、「ページ設定」の「解像度」がシートごとに異なる場合は、PDF Driver API が全シートのなかでもっとも大きな解像度の値に再設定して変換処理を行います。このため、シートの内容によっては、ページレイアウトがオリジナルと異なる場合があります。
- Excelファイルにおいて「ページ設定」の「解像度」がPDF Driverで扱うことができない値の場合、PDF Driver APIは印刷エラーを回避するためにPDF Driverが持つ解像度のいちばん近い値に設定します。このためシートの内容によっては、ページレイアウトがオリジナルと異なる場合があります。
- Excelファイルにおいて、OpenやCloseなどのイベントに対してマクロが設定されているとき、マクロでメッセージが表示されたり、エラーによってExcel アプリケーションからメッセージが表示されるような場合、PDF Driver API の変換処理は中断されます。
- PDF Driver APIの処理において、一太郎ファイルが複数シートを持つ場合は、カレントシート(=開いたときに最前面にあるシート)のみをPDF に出力します。
- PDF Driver APIの処理において、一太郎ファイルのカレントシートがExcel形式の場合、Excelファイルが複数シートを持ちシートの解像度が異なるなどして印刷ジョブが分かれるケースでは、出力されるPDFが複数に分かれます。
出力されるPDF ファイル名の例:
test.pdf
test.pdf.pdf
test.pdf.pdf.pdf
- PDF Driver APIの処理において、一太郎ファイルのカレントシートがPowerPoint形式の場合、印刷時にPowerPoint 画面が前面に表示されます。
- PDF Driver APIの処理において、一太郎ファイルのカレントシートがWord形式の場合、1 ページ目が出力されない場合があります。
- PDF Driver APIの処理において、一太郎ファイルのカレントシートがWord形式の場合、2 ページ目以降の数ページだけ出力される場合があります。
- PDF Driver APIの処理において、動作環境のアプリケーションが「一太郎」のバージョンによっては、印刷時に一太郎の画面が前面に表示されます。
- PowerPointには「用紙に合わせて拡大/縮小」というオプションがあります。PDF Driver APIではこの設定値を制御していません。PowerPointファイルが持つ設定に従った動作となります。
- PDF Driver APIのアドイン変換関数を使用する場合、1ページ(1シート/1スライド)ごとPDF出力を行うオプションは使用できません。
- テキスト形式ファイルをPDF変換する場合、文字コードはWordが判別しています。使用されている文字コードやテキスト内容によっては出力結果が文字化けする場合があります。
- PDF Driver APIの処理において、Excelファイルの非表示シートはPDF出力されません。
- PDF Driver API の通常出力処理において、PowerPointファイルの非表示スライドは出力されません。アドイン変換処理の場合、非表示スライドはPDF出力対象となります。
- Word,Excel,PowerPoint,一太郎形式以外のファイルについて、テキスト形式と判定され変換が行われる場合があります。
※OEMライセンスでは、Officeアドインはオプション機能です。
9.3. PDF Driver の制限事項
- PDF Driverの出力結果は、オペレーティングシステム(OS)の種類やバージョンや更新、印刷を行うアプリケーションの更新やバージョンアップにより、出力PDFの内容が更新/バージョンアップ前の結果と異なる、あるいは元文書のレイアウトやデザインと異なる、PDF変換できない、Officeアドイン変換のオプションが効かない、印刷速度が遅くなるなど印刷品質に影響が出る場合があります。
- Adobe Acrobat などのPDF ビューアからPDF Driver を指定し印刷する動作、および印刷結果であるPDF ファイルについては保証されません。
- PDF Driverは印刷アプリケーションの動作に依存します。このため、停止しないで動作することは保証していません。停止が問題になるようなサービス等では、上位システムでエラーや停止時の対処また負荷分散などの機能を組み込まれる事を推奨いたします。
- 印刷処理速度や消費メモリ、出力結果のPDFなどについて、特定の性能や品質を保証するものではありません。Adobe AcrobatやAdobe Acrobatの「Adobe PDF」を含む他社製品のPDF生成ソフトウェアと同等の品質や性能を保証するものではありません。
- PDF Driverはネットワークプリンターとしてご利用いただくことはできません。
- 1つのスレッドから同時に2つ以上の印刷を行うようなしくみのアプリケーションにおいて2つ以上のファイルを同時にPDF Driverに対して印刷するとPDF Driverは正しく動作しません。
- 保存ダイアログで「キャンセル」を行った場合、PDF Driverは印刷処理を続行します。最後にPDFファイルを出力しないことで「キャンセル」とする動作仕様となっています。このため、印刷内容によりキャンセルされるまでに時間がかかる場合があります。
- PDF Driver V8.0で印刷中にエラーが発生し印刷が中止された場合、PDF Driver V8.0用の一時フォルダ「C:\Users\ ログインユーザー名\AppData\Local\Temp\AHPD80_temp」に拡張子「.tmp」のファイルが残る場合があります。
- Windowsのプリンター一覧に表示されるプリンター名を変更しないでください。一部の機能が正常に動作しなくなるおそれがあります。
- PDF Driverを使用した場合に作成可能なPDF バージョンは、PDF1.3~PDF1.7とPDF2.0です。
- 縦書きや文字が回転されている場合、フォントを埋め込む設定で印刷を行ってください。PDFにフォントが埋め込まれていないとき、文字が元文書とは異なる方向に回転したり、表示位置がずれる場合があります。
- 縦書き文字の出力対応は、MS ゴシックとArial Unicode MS を基準としています。
- 対応フォントは、True Type、Open Type、Type1フォントです。Windowsで使用可能なフォント以外については動作保証されません。また、フォントの仕様に沿っていないフォントについては動作保証されません。
- Open Type Fontでは、フォントによって縦書き記号が回転する場合があります。
- Open Type Font をフォント作成ツール「FontForge」でTrue Type Fontに変換したフォントは正しく変換されません。
- 透過画像や図形が含まれているとき、出力されたPDFでは黒く塗りつぶされた表示になる場合があります。
- 透過画像や図形が含まれているとき、PDF/AやPDF/X設定時にPDFが出力されない、あるいは、ファイルサイズが0KBであるPDFファイルが残る場合があります。
- 画像や図形のグラデーションやパターンが元文書の通りに変換されない場合があります。
- Excelファイルにおいて、「ページ設定」の印刷品質(解像度)設定値の変更を行った場合、出力されるPDFファイルの結果が印刷プレビューと異なり、行やページが増減する場合があります。PDF Driverで出力する場合、あらかじめ、PDF Driverを選択した状態でシートのレイアウトを行ってください。
- プリンターが出力するときのピクセル数は、「用紙サイズ(インチ換算)×解像度」で決まります。この値が非常に大きくなる設定のときに、印刷が行われずPDF ファイルが出力されない場合があります。そのような場合は、用紙サイズを小さくするか、あるいは、解像度を低い値に設定してください。設定値の目安は、「用紙サイズ(縦)×解像度」あるいは「用紙サイズ(横)×解像度」が16bit の上限である「65535」より小さくなる値です。(参考:3600 dpi なら約460mm、600 dpi なら約2750mm が上限値となります)
- PDF Driverは、Modern UIに対応していません。Modern UI を持つソフトウェアから印刷を行った場合、ユーザーインターフェースが期待される動作をせず、ファイル保存ダイアログはデスクトップ上に表示されます。
- PDF Driverは、Windowsのサービス(Windows サービス、Internet Information Service など)での利用において、外字出力には対応していません。
- 透かしの配置を最背面に設定した場合、印刷を行うアプリケーションによっては、透かしが他のデータの背面に配置され見えない状態になることがあります。
- 透かし文字列のフォントとして「Roman」などfon 形式フォントを選択した場合、PDF 出力に失敗し、PDF が出力されない、もしくは0 バイトのPDF ファイルが残ります。
- PDF Driverは印刷ジョブ名をPDFファイル名としています。Windowsにおいてファイル名に使用できない9種類の記号 \ / : * ? “ < > | が印刷ジョブ名に含まれている場合、PDF Driverはこれらの記号を「_」(0x5F)に置換しPDF ファイル名とします。
- PDF Driverは印刷ジョブ名をPDFファイル名としています。印刷ジョブ名に制御コード(0x01~0x1F)が含まれる場合、これを半角スペースに置換しPDFファイル名とします。
- グレースケールあるいはモノクロ変換設定でかつPDFファイルを透かしとして指定している場合、透かし部分はグレースケールおよびモノクロ変換は行われません。
- Webフォントを使用したWebページのPDF出力には対応していません。
- Windowsのバリアブルフォントには対応していません。
- 設定オプション「文中のURLにリンクをつける」について、URL文字列内に改行が存在したり、印刷を行うアプリケーションの仕様により印刷データとしてURLアドレスの終端までをひとまとまりの文字列として扱われていない場合に、正しくリンク設定が行われません。
- PDFファイルを「透かし」とする場合、PDFバージョンは「PDF のバージョン」で指定するPDFバージョンと同一、もしくはそれ以下のPDF バージョンのファイルを指定してください。
- 「PDF のバージョン」に「PDF2.0」を指定したとき、「透かし」としてPDFを指定する場合はPDF2.0 のファイルを使用してください。
- 「PDF のバージョン」に「PDF/A-2b」を指定しカラープロファイルが「CMYK」、かつ「圧縮」タブで「JPEG2000」を指定している場合、JPEG2000 ではなくJPEG 圧縮が行われます。カラープロファイルが「RGB」の場合はJPEG2000 圧縮が行われます。
- WordとExcelにおいて、ファイルの用紙サイズ設定が「Letter」であるときに「A4」のページサイズでPDF出力される場合があります。Word/Excelのオプション「詳細設定」において、「A4 または8.5 x 11 インチの用紙サイズに合わせて内容を調整する」という設定が有効であるときA4サイズとなります。LetterサイズでPDF出力する場合はこの設定を無効にしてください。
- PowerPointファイルのスライドの印刷の向きが「横」の場合、印刷設定の「用紙設定」で「サイズ指定」したとき、PDFではページサイズの幅と高さが入れ替わった大きさになります。
- 2つの画像をSRCANDのラスタオペレーションで印刷する処理に対し、PDF Driverでは「Blend Mode」という描画方法でPDFに変換しています。「Blend Mode」は「PDF1.4」以降の仕様であるため、「PDFバージョン」が「PDF1.3」設定では、一方の上に他方がのった状態で出力されます。また、透過が禁止されている「PDF/A-1b」「PDF/X-1a」「PDF/X-3」設定の場合も、一方の上に他方がのった状態で出力されます。
9.4. Officeアドイン機能の制限事項
※OEMライセンスでは、Officeアドインはオプション機能です。
- PDF Driverの出力結果は、オペレーティングシステム(OS)の種類やバージョンや更新、印刷を行うアプリケーションの更新やバージョンアップにより、出力PDFの内容が更新/バージョンアップ前の結果と異なる、あるいは元文書のレイアウトやデザインと異なる、PDF変換できない、Officeアドイン変換のオプションが効かない、印刷速度が遅くなるなど印刷品質に影響が出る場合があります。
- Microsoft365の場合、頻繁に更新や機能の追加が行われます。Officeアドイン機能への影響が確認されたとき、それらにすぐに対応できない場合があります。
- Word文書において「変更履歴の記録」が付与されている場合、見出しのPDFしおりへの変換やハイパーリンクの変換などが正しく処理されない場合があります。その場合、Word文書において変更履歴を「承諾」する処理を行い保存した、変更履歴を持たないファイルにした後、アドイン変換を行ってください。
- PDFのリンクとして出力されるハイパーリングは以下の種類です。
・文書内の別ページへ移動するリンク
・URLへのリンク
・電子メールアドレス
- 文書内を移動するリンク、URLリンク以外のハイパーリンクについては、リンク情報が正しく出力されない場合があります。
- 以下のようなハイパーリンクを含む文書をPDF出力すると、ハイパーリンクの指定範囲(=リンク枠の位置)が不正になることがあります。
・改行を含む文字列にハイパーリンクの指定がある場合
・縦書き文書内でハイパーリンクを指定した場合
・ハイパーリンクを付加したWordアートや図形に「折り返しの種類と配置」機能等を加えた場合
・HTMLのブラウザでの表示結果をWordに貼付した場合
・Word文書内の画像やオートシェイプに設定されたハイパーリンク
- Excelファイルのシートにおいて印刷範囲が設定されている場合は、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
- Excelファイルのシートにおいてヘッダに印刷タイトルとして「行」「列」タイトルが指定されている場合、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
- Excelファイルにおいて保護シートが存在する場合は、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
- Excelファイルにダイアログシートが含まれている場合、ダイアログシートより後ろのシートに対しては、しおりやリンクの出力、コメントの注釈の作成はできません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
- 印刷設定のPDFバージョンがPDF/AあるいはPDF/Xのとき、「コメントをノート注釈に変換する」設定でアドイン変換を実行した場合は、印刷途中で失敗するためPDFファイルが出力されません。
- 印刷設定のPDFバージョンがPDF/Aのとき、「元のWord/Excel/PowerPointファイルを添付する」設定でアドイン変換を実行した場合は、印刷途中で失敗するためPDFファイルが出力されません。
- 印刷設定のPDFバージョンがPDF/Xのとき、「元の Word/Excel/PowerPointファイルを添付する」、「リンクを出力する」、「相互参照と目次をリンクに変換する」、「脚注をリンクに変換する」設定でアドイン変換を実行した場合は、出力されるPDFファイルはPDF/Xの仕様の範囲外となります。
- PowerPoint アドイン変換において、表の中の文字列に設定されたハイパーリンクをPDF のリンク注釈として正しく出力できません。
- Word文書上に隠し文字が存在する場合、しおりやリンクは作成されません。
- ord文書において、図形内の見出しはしおりに変換されません。
- ExcelのHYPERLINK関数によるリンクはPDFのリンクに変換されません。