3–21 手書きオブジェクトの操作

手書きオブジェクトを使えば、用紙PDFに手書きで文字や絵を書くことができます。ペン蛍光ペンを使い、色と太さを選んでサッと書き込み、間違ったら消しゴムで消して書き直してください。

手書きオブジェクトは、市販のペンタブレット、スタイラスペン、またはタッチ操作(モニタがマルチタッチに対応している場合)やマウスでも描くことが可能です。

しかし、筆圧感知や繊細などの繊細な機能を利用するには、Microsoft.Inkに対応したペンタブレットやPCに最初から付属しているペンが必要になります。Microsoft.Inkに対応したペンがあれば、左手のタッチ操作で位置を決め、そのまま切り替えなしでシームレスに右手でペン入力できる「紙と鉛筆の操作性」を実現できます。

手書きオブジェクトは、選択方法や移動、サイズ変更などの操作が他のオブジェクトとは異なります。

3–21–1 手書きオブジェクトの入力

手書きオブジェクトは、リボン「ホーム」タブの「手書き」グループにある「ペン」、「蛍光ペン」、「消しゴム」のいずれかを選択して入力します。コマンドの▼部分を押すとドロップダウンメニューが表示され、ペンと蛍光ペンでは色、太さ、ペン先が、消しゴムでは大きさと種類(部分消しかストローク)が選択できます。一度選んだ内容は次回から既定値となります。

リボン「ホーム」タブの「手書き」グループ

図3・68 リボン「ホーム」タブの「手書き」グループ

PDF出力では、ペンが蛍光ペンより前面に配置されます。ペンを蛍光ペンよりも先に書いたときには、画面表示とPDF出力の見た目が一致しないことがあります。

3–21–2 手書きオブジェクトの選択

入力した手書きオブジェクトを選択するには、リボン「ホーム」タブの「手書き」グループにある「手書き選択」コマンドをクリックします。マウスポインタが十字形になりるので、選択したい手書きオブジェクトの上にマウスポインタを置いてクリックすると、ストロークごとにオブジェクトを選択できます。または、手書きオブジェクトの周りを囲むことで全体を選択できます。

選択状態を解除するには[ESC]キーを押すか、用紙PDF上の何もない部分をクリックしてください。

手書きオブジェクトの選択

図3・69 手書きオブジェクトの選択

Mspng 手書き選択ができない場合

用紙PDFが回転した状態だと手書きオブジェクトを選択できません。この場合「手書き選択」コマンドがグレーでクリックできない状態になります。選択したい場合は回転を0度に戻してください。現在の回転角度は、ステータスバー左下の「210.0 X 297.0(0°)」のような表示から読み取れます。

3–21–3 手書きオブジェクトの複数選択

[Ctrl]キーを押しながら複数の手書きオブジェクトを囲んでいくことで、複数の手書きオブジェクトを一つの大きなオブジェクトとして選択できます。

3–21–4 手書きオブジェクトの移動

手書きオブジェクトは、選択した状態でドラッグすると移動できます。この操作はキーボードではできません。

3–21–5 手書きオブジェクトのコピー、切り取り、削除

手書きオブジェクトをコピー、切り取り、削除するには、次のいずれかの操作を実行します。

3–21–6 手書きオブジェクトの貼り付け

コピーした手書きオブジェクトは、次のいずれかの操作で貼り付け(ペースト)できます。

右クリックメニューから貼り付けた場合はクリック地点に貼り付けられます。

3–21–7 手書きオブジェクトのサイズ変更

手書きオブジェクトは他のオブジェクトと同様の方法でサイズ変更できます。オブジェクトを選択すると、四隅と四辺に「ハンドル」(小さな四角)が表示されるのでマウスでドラッグしてください。