3–27–3 繰り返しの設定
データソースにある差し込みデータの個数が、用紙に配置された差込オブジェクトの数より多いとき、印刷またはPDF出力時に用紙を繰り返す設定ができます。繰り返しの設定は、プロパティペインの「差込」タブで行います。

図3・101 プロパティペインの「差込」タブ
プロパティペインの「差込」タブは、差込オブジェクトが選択されているときにのみ表示されます。
繰り返し設定には選択肢が三つあります。
- なにも設定しない。
- (用紙全体に対して)全ページ差込を設定する。
- ある差込オブジェクトに対してデータリピートを設定する。
なにも設定しない
「全ページ差込」と「データリピート」の両方のチェックがOFFのときは、データソースのデータは用紙PDFの各差込オブジェクトに設定された差込順に一回だけ差し込まれます。差込オブジェクトを使い終わると余ったデータは捨てられます。
全ページ差込
「全ページ差込」をONにすると、印刷またはPDF出力時、配置された差込オブジェクトの数以上にデータが存在すれば、データを使い終わるまで全てのページを繰り返し出力します。
「全ページ差込」は、次のように設定します。
- 差込オブジェクトをクリックして選択状態にすると、プロパティペインに「差込」タブが表示されます。
- プロパティペインの「差込」タブにある「全ページ差込」にチェックを入れます。
全ページ差込では、差込オブジェクトに設定された差込順番に従ってデータが差し込まれ、その結果としてページが出力されます。データが余ると初回と同じ順番で、最初のページから2回目のデータが差し込まれます。それを繰り返します。
1行1レコードにチェックを付けると、データソースの1行を1レコードとして、行数分ページが出力されます。
データリピート
配置された差込オブジェクトの数以上にデータが存在すると、データを使い終わるまで「データリピート」がONになっている差込オブジェクトがあるページを繰り返し出力します。
データリピートは差込オブジェクトに対して次のように設定します。
- 差込オブジェクトをクリックして選択状態にすると、プロパティペインに「差込」タブが表示されます。
- 「全ページ差込」にチェックが入っている場合は、「全ページ差込」のチェックを外します。
- リピートさせるオブジェクトを選択して、プロパティペインの「差込」タブにある「データリピート」にチェックを入れます。
複数のページに複数の差込オブジェクトがあるとき、リピートされる差込オブジェクトと出力されるページのリピート順位は次のように決まります。
- データリピートがONになっている先頭の差込オブジェクトまで、差込順序の指定に従ってデータが差し込まれて、データが差し込まれた結果としてページが出力されます。
- 初回は、その先頭の差込オブジェクトと同じページにある差込オブジェクトにデータが一回ずつ差し込まれます。
- 二回目以降は、そのページのみが繰り返して出力されますが、そのときはデータリピートがONになっている差込オブジェクトのみに新しいデータが差し込まれます。(データリピートがOFFの差込オブジェクトは更新されません。)
- データを使い終わると次のページ以降には差込オブジェクトになにもデータが挿入されない状態で出力されます。
「全ページ差込」がONのときは「データリピート」は無視されます。
「1行1レコード」がONのときも「データリピート」は無視されます。
設定例
三つの繰り返し設定の違いについて図3・102 データソースと用紙の差込オブジェクトに示す例によって説明します。この例ではデータソースにA~Fの6件のデータがあり3行に分かれていて、用紙PDFの1ページから3ページにそれぞれ一つの差込オブジェクトが設定されているとします。

図3・102 データソースと用紙の差込オブジェクト
PDF出力結果は、三つの選択肢と「1行1レコード」のON/OFFに応じて図3・103 三つの設定と「1行1レコード」のON/OFFによるPDF出力結果の比較のようになります(この図の末尾の例では、用紙2の差込オブジェクトにデータリピートを設定しているものとします)。

図3・103 三つの設定と「1行1レコード」のON/OFFによるPDF出力結果の比較
- リピート設定なしでは、ABCの三つのデータが用紙1~用紙3に差し込まれます。用紙1~用紙3が1回ずつ出力されて終了します。4番目以降のデータは使われません。
- リピート設定なしで「1行1レコード」がONでは、1行目のABが用紙1~用紙2に差し込まれ、用紙3の差込オブジェクトにはデータが割り当てられません。
- 全ページ差込ではABCが用紙1~用紙3のセットで使われ、DEFが用紙1~用紙3のセットで使われます。
- 全ページ差込で「1行1レコード」がONでは、ABが用紙1~用紙3のセットで使われ、Cが用紙1~用紙3のセットで使われ、DEFが用紙1~用紙3のセットで使われます。
- 用紙2の差込オブジェクトにデータリピートが設定されているとき、ソースデータのAが用紙1に出力されたあと、B~Fにより用紙2が繰り返し出力されます。そして最後の用紙3の差込オブジェクトにはデータが割り当てられません。