本章では注釈データのインポートとエクスポートについて説明します。PDF Tool APIを用いて、PDFドキュメントから注釈データをエクスポートでき、また、エクスポートした注釈データをインポートできます。注釈データをエクスポートする先のファイル形式はFDF (Forms Data Format)です。
FDFは対話フォーム及び注釈のデータを扱うためのファイルフォーマットです。PDF 1.3以降では、FDFを注釈コンテナとして、注釈情報のエクスポートに用いることができるようになりました。エクスポートしたFDFファイルはPDFとは独立して扱うことができます。そのため、例えば共通のPDFに対して注釈情報だけを抜き出してやりとりする使い方ができます。なお、FDFではマークアップ注釈(「表1・1 注釈の種類」を参照)以外の注釈は表現できません。このためリンク注釈は良く使われるにも関わらずエクスポートできません。
PDF Tool APIでは、注釈データのインポートはFDFファイルを読み込む方法とPDFファイルから直接データを読み込ませる方法があります。
本章第1節ではFDFファイルを用いた注釈データ処理を、第2節ではPDFファイルを用いた注釈データ処理を解説します。