PDF、組版と文書変換のアンテナハウス株式会社
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トップページ > システム製品情報 > Office Server Document Converter 製品トップ > Word文書(docx文書)に埋め込まれたイメージ画像はどのように扱われているか
PDFにイメージ画像が埋め込まれているとき、それを画面に表示したり、Webページで見ている間は画像の解像度(※)が低くても、それほど目立たない。ところが、画像の解像度が低いと印刷した画像がぼやけてしまう。PDFの元原稿をMicrosoft Wordを使って編集すると、編集の操作とWordのオプション設定によっては、イメージ画像が縮小されてしまう。こうして、元の画像は解像度が高いにも関わらず、できあがったPDFでは画像がぼやけてしまうことがある。印刷に使うPDFを作成するときは注意しなければならない。
ここでは、Wordの機能で埋め込まれたイメージ画像がどのように扱われているかを調べた結果と、Office Server Document Converter(OSDC)でdocx文書からPDFを作成するとき、イメージ画像をどのように処理しているかを簡単に紹介する。
(※)解像度は縦横のピクセル数(px)とインチあたりのピクセル数(ppi)という2つの意味で用いられるので注意が必要である。
イメージ画像としてPNG形式とJPEG形式の2種類についての調査結果を説明する。なお調査の環境は、次の通りである。
Word文書のファイル形式(docx形式)は、Office Open XML(OOXML)で規定されている(OOXMLの概要は:Office Open XML (OOXML) とは? 概要、メリットと活用アプリケーションを参照のこと)。
PNGとJPEGを含むdocx形式のファイルを作り、OOXMLを解凍してフォルダーの内容を見ると次の図のようになっている。
Word文書のテキスト部分はdocument.xmlファイルに保存されている。document.xmlファイルを調べると、Word文書の内部にイメージ画像の配置や大きさなどの指定は、ベクトルマークアップ言語(VML)のシェープ形式(旧形式)またはOOXMLのシェープ形式(新形式)として記述されていることが分かる。
(※)Word2019では、いずれの場合でもOOXMLのシェープ形式(新形式)として保存されます。
Word文書に埋め込まれたイメージの解像度の扱いは、Wordの編集設定による。この編集の設定は、イメージ画像の保存方法により異なる。
Wordの「ファイル」「オプション」には、ファイル内のイメージの扱いについての設定がある(次の図)。イメージの解像度をWordに勝手に変更されたくない場合は、「ファイル内のイメージを圧縮しない」にチェックしておく必要がある。なお、このオプションはWord2016でも同じ動作である。
図を選択して表示される「図ツール」「書式」タブの「図の圧縮」の設定による。デフォルトでは次の図のように図の解像度(縦・横のピクセル数)が変化しない設定になっている。この場合、図の表示上の大きさを変更してもイメージ画像の解像度は変化しない。旧形式に対しては、「ファイル」「オプション」のファイル内のイメージの扱いについての設定は影響を与えない。
OSDCでdocxからPDFを作成するとき、PNG形式やJPEG形式のイメージ画像を一旦解凍して、再圧縮することが可能である。
その際、カラー画像、グレースケール画像、モノクロ画像別に圧縮方法を指定したり、ダウンサンプリングの方法を指定できる。圧縮やダウンサンプリング処理を指定すると、その設定に応じて、docxファイル中のイメージ画像の解像度が変化する。詳細はOSDCのコマンドライン・インターフェイスのパラメータ設定についての説明を参照のこと。
なお、特にパラメータ設定が無い場合は、PNG形式やJPEG形式のイメージ画像は、パススルー(解凍・再圧縮しないで画像のバイナリデータをそのままPDFに埋め込む)でそのままPDFに埋め込まれる。