電子証明書には、秘密鍵とペアになる公開鍵、署名者の身元を保証する認証データなどが保存されています。電子証明書は、認証局(CA:Certification Authority)が発行したものを使うのが一般的です。しかし、証明書作成ツールを使って自分で作成した自己署名証明書(オレオレ証明書)もデジタルもデジタル署名に使えます。このオレオレ証明書と認証局の証明書との違いは、信頼できる証明書発行機関である認証局が、証明書発行時に保有者の認証を行なっているかどうかです。ただし、電子証明書という言葉で、秘密鍵と電子証明書のセットを意味するとき(PKCS#12やICカード証明書など)もあるので混同しないように注意が必要です。
1. Windows証明書ストア方式
電子証明書をWindows証明書ストアに保存するとともに、ペアの秘密鍵へのリンクをWindowsが内部的に管理する方式です。Windows証明書ストアに登録されている電子証明書を選択して署名を実行すると、対応する秘密鍵で署名が行われます。秘密鍵が存在する場所は、Windows内部の機密領域、ICカード証明書もしくはリモート署名用サーバー内の機密ハードウェア内などになります。
Windows証明書ストアの電子証明書から機密鍵へのリンクが適切に設定されているとき、本製品では「署名タイムスタンプ」メニュー「証明書を選択」ダイアログの「インストール済から選択する(証明書ストア)」で証明書を選択して署名できます。
2. IC カード証明書方式
秘密鍵と電子証明書をもつICカード証明書を使用します。本製品で、ICカード証明書を利用するにはWindows PCに接続されたICカードリーダーが使える状態であること、およびICカード内の秘密鍵にアクセスするドライバー(署名用ドライバーと呼びます)の設定が必要です※。署名用ドライバーは、通常、ICカード証明書を発行する認証局が用意したものを、利用者がWindowsにインストールします。
マイナンバーカードはICカード証明書の一種です。本製品でマイナンバーカードを使用するには、ICカードリーダーを使えるようにした上で、公的個人認証サービスの「JPKI利用者ソフト」をインストールして署名用ドライバーを設定します。本製品でマイナンバーカードを使って署名するには、「署名タイムスタンプ」メニューの「証明書を選択」ダイアログで「ICカードで指定する」にチェックして「マイナンバーカード」を選択します。
※注意事項
ICカード証明書の署名ドライバーには、「JPKI利用者ソフト」のようにWindows証明書ストアにICカード証明書内の秘密鍵へのリンクを設定する機能をもたないものがあります。本製品で、このタイプの署名ドライバーを使用するときは、「ICカードで指定する」にチェックして「ICカードの種類」を選択する必要があります。
これ以外の原因で、 ICカード証明書をご利用できない場合は、弊社までお問い合わせください。
3. リモート署名方式
秘密鍵がリモート署名サービスを提供するWebサービスのサーバー内の機密保護機能をもつ専用ハードウェアに保管されています。リモート署名方式ではネットワークを介してこの秘密鍵を使用します。
本製品では2026年7月21日より法務省が開始した「商業登記リモート署名」を利用できます。商業登記リモート署名を使用するには、商業登記電子認証ポータル から「商業登記リモート署名ドライバソフト」を入手してインストールします。さらに「商業登記リモート署名ドライバソフト 管理ツール」でWindows証明書ストアに商業登記リモート署名用の電子証明書を登録します。このとき、署名ドライバーへのリンクがWindows内に設定されるので、本製品では「商業登記リモート署名証明書」をWindows証明書ストアで選択して署名できます。但し、Windows証明書ストアに多数の証明書が登録されていると見分けにくいので、本製品では、署名選択画面で「商業登記リモート署名」を直接選択もできます。
4. PKCS#12方式
秘密鍵とそれとペアになる電子証明書は、一般的には秘密鍵と一体にしたPFX、または、PKCS#12形式のファイルとして受け渡されます。通常、Windowsでは、PFX/PKCS#12ファイルはWindows証明書ストアにインポートして使います。このとき秘密鍵はWindowsの機密領域に取り込まれるので、一旦、Windows 証明書ストアにインポートすると、ログインしたユーザーのアカウントから証明書を選択するだけでパスワードなしに使うことができます。
なお、本製品では、直接PKCS#12ファイルを指定して署名もできます。
PDFデジタル署名では、通常、PDFファイル全体に対して直接署名するのではなく、PDFファイルから計算したハッシュ値に署名します。
本製品のデジタル署名では、ハッシュアルゴリズムはSHA-2(SHA-256/384/512)です。
SHA-1は非推奨になっているため、本製品の署名付与で選択できません。
公開鍵暗号アルゴリズムはRSA方式(鍵長は2048か4096ビット)をサポートしています。
今後、RSAに代わってECDSAに移行する計画が策定されています。
但し、本製品のPAdES-BasicではECDSA方式の署名付与機能はありません。