5.2. 改訂版のバージョンアップの場合
現行バージョンと移行先バージョンとの間にAPIの変更があるかで、以下の二通りあります。API変更があるかは、本章をご確認ください。
バージョン間でAPIの変更がある場合
開発アプリケーションのリビルドが必要です。
1. 開発PC上でインストーラーを実行して、インストールされているPDF Viewer SDKを更新します。
- 上書きインストールされます。旧バージョンのSDKが必要な場合は、SDKのフォルダを事前にコピーしてバックアップしてください。もしくはインストール先を変更してください。
- 更新したSDKを使用して、開発アプリケーションをリビルドしてください。
- リビルドした開発アプリケーションと更新したPDF Viewer SDK のバイナリおよびリソースを配布して、実行環境のファイルを更新してください。以下をご覧ください。
- 実行に必要な PDF Viewer SDK のバイナリおよびリソース
- 実行環境でPDF Viewer SDKを差し替えたときに必要な設定
バージョン間でAPIの変更がない場合
こちらの場合は、PDF Viewer SDK のバイナリおよびリソースを差し替えてください。
- 開発PC上でインストーラーを実行して、インストールされているPDF Viewer SDKを更新します。
- 開発PCにインストールされたSDKのバイナリおよびリソースを配布して、実行環境のファイルを更新してください。以下をご覧ください。
- 実行に必要な PDF Viewer SDK のバイナリおよびリソース
- 実行環境でPDF Viewer SDKを差し替えたときに必要な設定
実行に必要なバイナリおよびリソース
- PDF Viewer API「PDF Viewer API インタフェース仕様」4.4 実行に必要なファイル
- PDF Viewer Ctrl「PDF Viewer Ctrl インタフェース仕様」4.3 動作に必要なモジュール、手続き等
実行環境でPDF Viewer SDKを差し替えたときに必要な設定
- PDF Viewer Ctrl - ActiveX版 以外のモジュールをお使いの場合
ファイルの置き換えのみで、レジストリ設定等の追加の設定は不要です。
- PDF Viewer Ctrl - ActiveX版をお使いの場合
API変更やインストール先が変わる場合は、AvsActiveXCtl.ocx を再登録してください。これらの変更がない場合は、再登録なしでも動作するはずです。再登録について以下をご覧ください。
「PDF Viewer Ctrl インタフェース仕様」4.3 動作に必要なモジュール、手続き等
「ActiveX版を使用する場合はレジストリ登録が必要です。」のセクション
5.5. V5.0 とのの互換性について
描画品質や速度、メモリ消費、その他の細かな動作について、全く同一の動作を保証するものではありませんので、ご了承ください。バージョンアップの際は、お客様にて事前に十分動作確認をお願いいたします。
[]内は対象のバージョン、コンポーネント、言語APIなどです。
- DLLファイル名が変更になりますので、リビルドが必要です。
- V5.0 からDLLファイル構成が大幅に変更されました。配布するファイルにご注意ください。インストーラーを作成されている場合はインストールするファイルの見直しが必要です。
- ご利用には、V6.0用のライセンスファイルが必要です。
- 一部にV5.0から廃止・動作が変更されたAPIや機能がございます。ご了承ください。
廃止されたAPI:
- [V5.0すべて] ActiveX インタフェースは廃止されました。ご了承ください。
動作が変更されたAPIや機能:
- [V5.0すべて] [PDF Viewer Ctrl] オープン時一時ファイルにコピーしてから編集を行うように動作が変更されました。詳しくは「PDF Viewer Ctrl インターフェース仕様」「5.9 ファイルオープン時の一時ファイルへのコピー」をご覧ください。
- [V5.0 R1/MR1~MR5] [PDF Viewer API]および[PDF Viewer Ctrl] [.NET6/.NetFramework]
AvsTextInfoクラスの IsNewLineフィールドはgetプロパティに変更になりました。
setを行わない限りソース修正は不要です。
- [V5.0 R1/MR1~MR6] [PDF Viewer API] [C++] APIが追加されました。
getDisableBlend、setDisableBlend
- [V5.0 R1/MR1~MR5] [PDF Viewer API]および[PDF Viewer Ctrl] [.NET6/.NetFramework]
AvsTextInfoクラスの IsNewLineフィールドはgetプロパティに変更になりました。
setを行わない限りソース修正は不要です。
- [V5.0 R1/ MR1~MR3] PDF文書のプロパティ設定ダイアログにフォント情報タブが追加されます。
- [V5.0 R1/MR1/MR2] [PDF Viewer Ctrl] CtrlSyleプロパティにAGCS_IGNOREOPENPAGELAYOUT フラグを指定した場合に、PDF文書が持つPDFの綴じ方(Direction)を初期値として反映するかどうかについての動作を変更しました。
MR2以前 PDF文書の綴じ方を反映します。
MR3以降 PDF文書の綴じ方を反映しません。
- [V5.0 R1/MR1] GetTextInfoRectなどの文字情報取得メソッドにおいてArtifactを除外するように既定の動作を変更いたしました。
[PDF Viewer API] getTextInfoRect, getPageTextInfo
[PDF Viewer Ctrl] GetTextInfoRect, GetSelectedTextInfo
- [V5.0 R1/MR1] PDFオープン時にメモリ消費に合わせて、ロードするページ数を制御しています。
(詳しくはPDFViewerAPI setLoadPageCountメソッドの解説をご覧ください)。.NET6への対応のため、こちらの空き領域の確認方法を変更いたしました。
従来はヒープ空き領域により判定しておりましたが、.NET6ランタイムから行うと例外が発生するため(※)、この代用としてプライベート領域のサイズを見るように変更しております。アプリケーションの構成によって従来よりもメモリ不足が発生しやすい場合があります。とくに32bitアプリケーションで、プライベート領域以外でメモリを割り当てるような場合(例、メモリマップドファイル)が該当します。これに該当する場合は別途ご用意している setLoadMemeoryLimit メソッドにて、明示的に上限を設定してください。
※マイクロソフト社の技術サポートに相談しておりますが、対応未定の状況です。
5.6. V4.0との互換性について
描画品質や速度、メモリ消費、その他の細かな動作について、V4.0と全く同一の動作を保証するものではありませんので、ご了承ください。バージョンアップの際は、お客様にて事前に十分動作確認をお願いいたします。
- DLLファイル名が変更になりますので、リビルドが必要です。
- ご利用には、V6.0用のライセンスファイルが必要です。
- ライセンスファイルの配置先が変更になりました。本書「ライセンスファイルの配置」をご覧ください。
64bitコントロールへの対応に伴い、PDF Viewer CtrlのPDFドキュメントへのハンドルの型が変更になります。下記のAPIが該当します。
GetPDFDocumentHandleメソッド
AttachPDFDocumentメソッド
DocumentOpendイベント
- 一部にV4.0から廃止・動作が変更されたAPIや機能がございます。ご了承ください。
廃止されたAPI:
- [PDF Viewer API] setDisableBlendメソッド(C++)/ PdfvCiSetDisableBlend関数(C)
- [PDF Viewer API] makeWmfPageメソッド(C++)/ PdfvCiMakeWmfPage関数(C)
- [PDF Viewer API] makeEmfPageメソッド(C++)/ PdfvCiMakeEmfPage関数(C)
- [PDF Viewer Ctrl] AGCS_ALIGNVERTICALCENTERフラグ 既定でフラグOnの動作(見開き時に隣り合うページの縦方向中央を揃える)となります。
動作が変更されたAPIや機能:
- [PDF Viewer Ctrl] AvsPageLayout(ページレイアウト)
APL_SINGLE/APL_CONTINUOUS/APL_TWOUP/APL_TWOUP_CONTINUOUS に加え、APL_TWOUP_COVER/ APL_TWOUP_COVER_CONTINUOUSが追加されました。V4.0では表紙あり・なしの区別がありませんでしたが、V5.0では表紙ありの場合は、APL_TWOUP_COVER/ APL_TWOUP_COVER_CONTINUOUSとなります。
- [PDF Viewer Ctrl] 検索 次の候補を検索し一巡した場合、V4.0 ではメッセージを表示して終了しますが、V5.0では最初のページに戻り検索を継続します。
- [PDF Viewer Ctrl] 文書情報 キーワードの改行する場合”\r\n”をお使いください。(V4.0では”\n”)
- [PDF Viewer API] getTextInfoInRect / [PDF Viewer Ctrl] GetTextInfoInRect テキスト情報に改行情報を含むように変更しました。
- [PDF Viewer Ctrl] DocumentPath SaveDocumentで保存後に返すパスに変更があります。
V4.0以前 SaveDocumentに渡したファイルパス
V5.0 以降 OpenDocumentに渡したファイルパス
レンダリング品質など
- 表示の高速化のため内部のグラフィックエンジンを変更しております。
- 既定の表示モード(Direct2D有効)と従来のGDI+/GDIによる描画結果は必ずしも一致しません。
- Direct2Dを無効にするとV4相当の描画となります。ただし不具合対応などによりV4と同一とならない場合がございます。
- 上記はPDFのページについてです。ページ上の注釈オブジェクトの描画は従来の速度・品質になります。
サポート
- V5.0より、対応OSなどのプラットフォームの動作保証を行う範囲については、マイクロソフト社のメインストリームサポートの範囲といたしました。動産環境などに記載の環境であっても、サポートが終了した環境については動作保証の対象外となりますので、ご了承ください。
- ActiveXコントロールについては、V6.0より廃止されました。ご了承ください。