6. 制限事項

6.1. 付属APIの制限事項

  1. 付属APIは、PDF Driverの出力先の指定や印刷設定を編集るAPIです。印刷を行うアプリケーションの印刷処理は制御しません。印刷を行うアプリケーションの仕様によっては、付属APIで出力先を指定していてもPDF Driverのファイル保存ダイアログが表示されるなど、期待される動作と異なる場合があります。
  2. PDF Driver V8.0は、PDF Driver V7.5以前の付属APIでは制御できません。
  3. PDF Driver V8.0の付属APIでは、PDF Driver V7.5以前のPDF Driverを制御することはできません。
  4. 付属APIを利用して印刷を行うプログラムが動作している環境では、付属API以外からPDF Driver V8.0が使用されないようにしてください。
  5. プログラムで「通常使うプリンター」を変更し、Windows APIの「ShellExecute」などを使用してファイルに関連付けられたアプリケーションで印刷させる場合、印刷ジョブが投入される前に他のスレッドから「通常使うプリンター」が変更されると、アプリケーションが変更されたプリンターを使ってしまうため、プログラムでは期待通りの印刷処理が行われません。アプリケーションが使用するプリンターを外部から指定できる場合を除き、「通常使うプリンター」の変更から印刷ジョブが投入されるまでの処理は、セッションレベルでCriticalSectionに入れる必要があります。
  6. 付属APIを利用して印刷を行うプログラムが、ひとつのユーザー環境で複数同時に動作する場合は、あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意してください。プログラムでは、印刷処理実行前に「SelectPrinter」によるプリンター選択処理を行ってください。
  7. 付属APIを利用した複数スレッド構成のプログラムにおいて各スレッドで印刷を行う場合、あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意してください。プログラムでは、印刷処理実行前に「SelectPrinter」によるプリンター選択処理を行ってください。
  8. 付属APIを利用した複数スレッド構成のプログラムにおいて各スレッドで印刷を行う場合、1つのスレッドに1つのプリンターを割り当てて印刷を行うようにしてください。
  9. 1つのスレッドから同時に2つの印刷処理が行われないよう、制御する必要があります。たとえば、

{

...省略...

int job1 = StartDoc(printerDC1,&docinfo1);

int job2 = StartDoc(printerDC2,&docinfo2);

...印刷...

EndDoc(printerDC1);

EndDoc(printerDC2);

}

のように、1つのスレッド内で2つ以上同時に印刷を行うと、プリンタードライバーは正常に動作しません。

6.2. PDF Driver の制限事項

  1. PDF Driverの出力結果は、オペレーティングシステム(OS)の種類やバージョンや更新、印刷を行うアプリケーションの更新やバージョンアップにより、出力PDFの内容が更新/バージョンアップ前の結果と異なる、あるいは元文書のレイアウトやデザインと異なる、PDF変換できない、Officeアドイン変換のオプションが効かない、印刷速度が遅くなるなど印刷品質に影響が出る場合があります。
  2. Adobe Acrobat などのPDF ビューアからPDF Driver を指定し印刷する動作、および印刷結果であるPDF ファイルについては保証されません。
  3. PDF Driverは印刷アプリケーションの動作に依存します。このため、停止しないで動作することは保証していません。停止が問題になるようなサービス等では、上位システムでエラーや停止時の対処また負荷分散などの機能を組み込まれる事を推奨いたします。
  4. 印刷処理速度や消費メモリ、出力結果のPDFなどについて、特定の性能や品質を保証するものではありません。Adobe AcrobatやAdobe Acrobatの「Adobe PDF」を含む他社製品のPDF生成ソフトウェアと同等の品質や性能を保証するものではありません。
  5. PDF Driverはネットワークプリンターとしてご利用いただくことはできません。
  6. 1つのスレッドから同時に2つ以上の印刷を行うようなしくみのアプリケーションにおいて2つ以上のファイルを同時にPDF Driverに対して印刷するとPDF Driverは正しく動作しません。
  7. 保存ダイアログで「キャンセル」を行った場合、PDF Driverは印刷処理を続行します。最後にPDFファイルを出力しないことで「キャンセル」とする動作仕様となっています。このため、印刷内容によりキャンセルされるまでに時間がかかる場合があります。
  8. PDF Driver V8.0で印刷中にエラーが発生し印刷が中止された場合、PDF Driver V8.0用の一時フォルダ「C:\Users\ ログインユーザー名\AppData\Local\Temp\AHPD80_temp」に拡張子「.tmp」のファイルが残る場合があります。
  9. Windowsのプリンター一覧に表示されるプリンター名を変更しないでください。一部の機能が正常に動作しなくなるおそれがあります。
  10. PDF Driverを使用した場合に作成可能なPDF バージョンは、PDF1.3~PDF1.7とPDF2.0です。
  11. 縦書きや文字が回転されている場合、フォントを埋め込む設定で印刷を行ってください。PDFにフォントが埋め込まれていないとき、文字が元文書とは異なる方向に回転したり、表示位置がずれる場合があります。
  12. 縦書き文字の出力対応は、MS ゴシックとArial Unicode MS を基準としています。
  13. 対応フォントは、True Type、Open Type、Type1フォントです。Windowsで使用可能なフォント以外については動作保証されません。また、フォントの仕様に沿っていないフォントについては動作保証されません。
  14. Open Type Fontでは、フォントによって縦書き記号が回転する場合があります。
  15. Open Type Font をフォント作成ツール「FontForge」でTrue Type Fontに変換したフォントは正しく変換されません。
  16. 透過画像や図形が含まれているとき、出力されたPDFでは黒く塗りつぶされた表示になる場合があります。
  17. 透過画像や図形が含まれているとき、PDF/AやPDF/X設定時にPDFが出力されない、あるいは、ファイルサイズが0KBであるPDFファイルが残る場合があります。
  18. 画像や図形のグラデーションやパターンが元文書の通りに変換されない場合があります。
  19. Excelファイルにおいて、「ページ設定」の印刷品質(解像度)設定値の変更を行った場合、出力されるPDFファイルの結果が印刷プレビューと異なり、行やページが増減する場合があります。PDF Driverで出力する場合、あらかじめ、PDF Driverを選択した状態でシートのレイアウトを行ってください。
  20. プリンターが出力するときのピクセル数は、「用紙サイズ(インチ換算)×解像度」で決まります。この値が非常に大きくなる設定のときに、印刷が行われずPDF ファイルが出力されない場合があります。そのような場合は、用紙サイズを小さくするか、あるいは、解像度を低い値に設定してください。設定値の目安は、「用紙サイズ(縦)×解像度」あるいは「用紙サイズ(横)×解像度」が16bit の上限である「65535」より小さくなる値です。(参考:3600 dpi なら約460mm、600 dpi なら約2750mm が上限値となります)
  21. PDF Driverは、Modern UIに対応していません。Modern UI を持つソフトウェアから印刷を行った場合、ユーザーインターフェースが期待される動作をせず、ファイル保存ダイアログはデスクトップ上に表示されます。
  22. PDF Driverは、Windowsのサービス(Windows サービス、Internet Information Service など)での利用において、外字出力には対応していません。
  23. 透かしの配置を最背面に設定した場合、印刷を行うアプリケーションによっては、透かしが他のデータの背面に配置され見えない状態になることがあります。
  24. 透かし文字列のフォントとして「Roman」などfon 形式フォントを選択した場合、PDF 出力に失敗し、PDF が出力されない、もしくは0 バイトのPDF ファイルが残ります。
  25. PDF Driverは印刷ジョブ名をPDFファイル名としています。Windowsにおいてファイル名に使用できない9種類の記号 \ / : * ? “ < > | が印刷ジョブ名に含まれている場合、PDF Driverはこれらの記号を「_」(0x5F)に置換しPDF ファイル名とします。
  26. PDF Driverは印刷ジョブ名をPDFファイル名としています。印刷ジョブ名に制御コード(0x01~0x1F)が含まれる場合、これを半角スペースに置換しPDFファイル名とします。
  27. グレースケールあるいはモノクロ変換設定でかつPDFファイルを透かしとして指定している場合、透かし部分はグレースケールおよびモノクロ変換は行われません。
  28. Webフォントを使用したWebページのPDF出力には対応していません。
  29. Windowsのバリアブルフォントには対応していません。
  30. 設定オプション「文中のURLにリンクをつける」について、URL文字列内に改行が存在したり、印刷を行うアプリケーションの仕様により印刷データとしてURLアドレスの終端までをひとまとまりの文字列として扱われていない場合に、正しくリンク設定が行われません。
  31. PDFファイルを「透かし」とする場合、PDFバージョンは「PDF のバージョン」で指定するPDFバージョンと同一、もしくはそれ以下のPDF バージョンのファイルを指定してください。
  32. 「PDF のバージョン」に「PDF2.0」を指定したとき、「透かし」としてPDFを指定する場合はPDF2.0 のファイルを使用してください。
  33. 「PDF のバージョン」に「PDF/A-2b」を指定しカラープロファイルが「CMYK」、かつ「圧縮」タブで「JPEG2000」を指定している場合、JPEG2000 ではなくJPEG 圧縮が行われます。カラープロファイルが「RGB」の場合はJPEG2000 圧縮が行われます。
  34. WordとExcelにおいて、ファイルの用紙サイズ設定が「Letter」であるときに「A4」のページサイズでPDF出力される場合があります。Word/Excelのオプション「詳細設定」において、「A4 または8.5 x 11 インチの用紙サイズに合わせて内容を調整する」という設定が有効であるときA4サイズとなります。LetterサイズでPDF出力する場合はこの設定を無効にしてください。
  35. PowerPointファイルのスライドの印刷の向きが「横」の場合、印刷設定の「用紙設定」で「サイズ指定」したとき、PDFではページサイズの幅と高さが入れ替わった大きさになります。

6.3. Officeアドイン機能の制限事項

※OEMライセンスでは、Officeアドインはオプション機能です。

  1. PDF Driverの出力結果は、オペレーティングシステム(OS)の種類やバージョンや更新、印刷を行うアプリケーションの更新やバージョンアップにより、出力PDFの内容が更新/バージョンアップ前の結果と異なる、あるいは元文書のレイアウトやデザインと異なる、PDF変換できない、Officeアドイン変換のオプションが効かない、印刷速度が遅くなるなど印刷品質に影響が出る場合があります。
  2. Microsoft365の場合、頻繁に更新や機能の追加が行われます。Officeアドイン機能への影響が確認されたとき、それらにすぐに対応できない場合があります。
  3. Word文書において「変更履歴の記録」が付与されている場合、見出しのPDFしおりへの変換やハイパーリンクの変換などが正しく処理されない場合があります。その場合、Word文書において変更履歴を「承諾」する処理を行い保存した、変更履歴を持たないファイルにした後、アドイン変換を行ってください。
  4. PDFのリンクとして出力されるハイパーリングは以下の種類です。

・文書内の別ページへ移動するリンク

・URLへのリンク

・電子メールアドレス

  1. 文書内を移動するリンク、URLリンク以外のハイパーリンクについては、リンク情報が正しく出力されない場合があります。
  2. 以下のようなハイパーリンクを含む文書をPDF出力すると、ハイパーリンクの指定範囲(=リンク枠の位置)が不正になることがあります。

・改行を含む文字列にハイパーリンクの指定がある場合

・縦書き文書内でハイパーリンクを指定した場合

・ハイパーリンクを付加したWordアートや図形に「折り返しの種類と配置」機能等を加えた場合

・HTMLのブラウザでの表示結果をWordに貼付した場合

・Word文書内の画像やオートシェイプに設定されたハイパーリンク

  1. Excelファイルのシートにおいて印刷範囲が設定されている場合は、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
  2. Excelファイルのシートにおいてヘッダに印刷タイトルとして「行」「列」タイトルが指定されている場合、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
  3. Excelファイルにおいて保護シートが存在する場合は、リンクの出力やコメントの注釈を作成することができません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
  4. Excelファイルにダイアログシートが含まれている場合、ダイアログシートより後ろのシートに対しては、しおりやリンクの出力、コメントの注釈の作成はできません。該当するファイルの場合は、アドイン出力開始時に警告メッセージが表示されます。
  5. 印刷設定のPDFバージョンがPDF/AあるいはPDF/Xのとき、「コメントをノート注釈に変換する」設定でアドイン変換を実行した場合は、印刷途中で失敗するためPDFファイルが出力されません。
  6. 印刷設定のPDFバージョンがPDF/Aのとき、「元のWord/Excel/PowerPointファイルを添付する」設定でアドイン変換を実行した場合は、印刷途中で失敗するためPDFファイルが出力されません。
  7. 印刷設定のPDFバージョンがPDF/Xのとき、「元の Word/Excel/PowerPointファイルを添付する」、「リンクを出力する」、「相互参照と目次をリンクに変換する」、「脚注をリンクに変換する」設定でアドイン変換を実行した場合は、出力されるPDFファイルはPDF/Xの仕様の範囲外となります。
  8. PowerPoint アドイン変換において、表の中の文字列に設定されたハイパーリンクをPDF のリンク注釈として正しく出力できません。
  9. Word文書上に隠し文字が存在する場合、しおりやリンクは作成されません。
  10. Word文書において、図形内の見出しはしおりに変換されません。
  11. ExcelのHYPERLINK関数によるリンクはPDFのリンクに変換されません。