Office Server Document Converter V11.0 では、 Microsoft Excel 97 から Microsoft Excel 2021 までで作成されたブックファイルを PDF, SVG に変換できます。JPEG, PNG, TIFF, マルチページTIFF に変換することもできます。Excel で指定したチャートも一部を除いて変換できます。
Office Server Document Converter V11.0 では、 下記の Microsoft Excel で作成されたファイルに対応しています。
-セルの列幅と行高さのユーザによる調整機能-
プログラム外部からセルの列幅とセルの高さを調整するための機能です。 拡大縮小率を指定することで、1ページに含めるセルの範囲を調整することができます。
Excelファイルに保存されている「キーとなる情報」 と 「キーに対応する調整値」を指定することで、ユーザ側でファイルに応じた調整を行えます。複数の設定をパラメータセットとしてファイルに記述して読み込むこともできます。キーを無視して一括して調整することもできます。
キーとなる情報は、Excelファイルに保存されている「デフォルトフォント」と「プリンタ名」です。 「デフォルトフォント」とは、新規のExcelシートを作成した場合に、セルに設定されているフォントで、行列見出しやセルの列幅を計算する元にもなっているフォントのことです。「デフォルトフォント」は、フォント名とフォントサイズの組からなります。「デフォルトフォント」はExcelのワークブック(ファイル)に対して、ひとつ指定されます。「プリンタ名」とは、印刷に使用したプリンタ名で、ワークブック内の各シートごとに指定されています。
デフォルトフォントもプリンタ名も、それぞれExcelファイル内に保存されているものが対象となります。プリンタ名は保存されていない場合もあるので注意が必要です。保存されていない場合でも、確認のためにファイルをExcelで開き、印刷関連のメニューを開いたときにはプリンタ名は表示されますが、これはファイルに保存されているプリンタ名が表示されているわけではありません。現在システムに設定されているものが表示されている場合が多いので注意が必要です。
デフォルトフォントの違いによって、列幅などのサイズは変動します。 印刷先のプリンタを変更することで異なってしまうこともあったので、追加のキーとして採用していますが、それほど例は多くないので、プリンタ名を利用する場面は、それほど多くないと思われます。キーに対して縦横の拡大縮小割合を指定することで、ページに含まれるセルを調整します。 また、読込時にデフォルトフォントとプリンタ名を情報として戻す機能を用意しました。 エラーメッセージと同様の形式で情報が得られますので、キーを指定する場合にこれを参照してください。
以下のような記述を納めたファイルを用意して、プログラムに渡すことで、指定したキーを含むファイルを変換するときに、行の高さと列の幅を指定した調整値で調整できます。
<xls-rowcol-controls>
<xls-rowcol-control>
<xls-key>
<printer-name>プリンタ名</printer-name>
<font name="フォント名" size="フォントサイズ"/>
</xls-key>
<xls-key> ... </xls-key>
:
<xls-parameter row="行高調整値" col="列幅調整値"/>
</xls-rowcol-control>
</xls-rowcol-controls>
DTDは以下
<!ELEMENT xls-rowcol-controls (xls-rowcol-control*)>
<!ELEMENT xls-rowcol-control (xls-key*,
xls-parameter? ) >
<!ELEMENT xls-key (printer-name?,
font? ) >
<!ELEMENT printer-name (#PCDATA) >
<!ELEMENT font EMPTY >
<!ATTLIST font name CDATA #IMPLIED
size CDATA #IMPLIED >
<!ELEMENT xls-parameter EMPTY >
<!ATTLIST xls-parameter row CDATA #IMPLIED
col CDATA #IMPLIED >
パラメータの概要
詳細と注意事項
記述の一例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE xls-rowcol-controls SYSTEM "xls-rowcol-controls.dtd">
<xls-rowcol-controls>
<xls-rowcol-control>
<xls-key> <font size="10"/> </xls-key>
<xls-key> <font size="8-9" name="MS Gothic"/> </xls-key>
<xls-parameter col="95%" row="82.5%"/>
</xls-rowcol-control>
<xls-rowcol-control>
<xls-parameter col="90%"/>
</xls-rowcol-control>
</xls-rowcol-controls>
-セルの用紙設定機能-
プログラム外部から用紙を設定する機能です。用紙サイズや印刷の向きなどを指定することで、ファイルの設定とは異なる設定で出力できます。
Excelファイルに用紙設定が保存されていないときのデフォルト値を指定することと、Excelファイルに保存されている用紙設定を無視して指定した値を使用することができます。
指定できるパラメータは、用紙、用紙方向、上下左右マージン、拡大縮小率です。
値は、以下の優先順位で最初に見つかったものを採用します。指定はパラメータごとに独立しています。
優先順位:ユーザ指定値(xlspaper)>ファイルに保存された指定値>ユーザ指定デフォルト値(xlspaperdefault)>プログラム内蔵デフォルト値
パラメータは、文字列で指定します。文字列はカンマ区切りで、各要素を指定します。要素ごとに付随する値が必要なものはコロン区切りで並べます。
パラメータは、先頭から順次解釈されます。重複する要素の指定がある場合は、最後に指定されたものが有効となります。
パラメータの概要
記述の一例
-xlspaper A4,graph:landscape,100%
用紙サイズはA4、グラフシートは横書き、拡大縮小100%で出力する。マージンはファイルに指定されたものを使用する。
-xlspaperdefault custom:1000mm:1200mm,page:2:1,margin:10mm:10mm:15mm:15mm
用紙サイズは横1000mm、縦1200mm、マージンは左と上が10mm、右と下が15mm、横2ページ縦1ページに納まるように拡大縮小する。
デフォルト値の指定なので、xlspaperオプションが同時に使用されていたり、ファイルに指定が保存されている場合は採用されない。
MS-Excel ドキュメントからの変換における主な制限事項は下記のとおりです。
MS-Excel チャートからの変換における主な制限事項は下記のとおりです。