サブ文書のリンク解除
サブ文書のリンク解除
Word APIのサブ文書のリンク解除は、グループ文書のマスタ文書にサブ文書を取り込む機能です。
ここでは、Microsoft Wordのグループ文書の概要と、Word APIのサブ文書のリンク解除について説明します。
グループ文書のサブ文書は、対象のファイルへのリンク（参照）であり、マスタ文書ではリンク先のファイルの内容を表示しているのみです。
サブ文書のリンクを解除することによって、マスタ文書内にサブ文書の内容を取り込み、ひとつのファイルにすることができます。
以下の画像は、「MasterDocument.docx」をマスタ文書、「SubDocument.docx」「SubDocument_otherstyles.docx」をサブ文書としてグループ文書を作成する手順です。
グループ文書は、「MasterDocument.docx」を開いて、[表示]-[アウトライン]-[グループ文書]-[文書の表示]の[挿入]から、サブ文書となるファイルを選ぶことによって作成することができます。
はじめに、以下の画像のように、左から「MasterDocument.docx（マスタ文書）」、「SubDocument.docx（サブ文書）」「SubDocument_otherstyles.docx（サブ文書）」という文書に、"MyTable"というスタイル名を定義します。
このとき、重要になるのが、「SubDocument_otherstyles.docx（サブ文書）」のスタイル定義が異なる点です。
「SubDocument.docx（サブ文書）」は、何の問題もなく挿入できます。
しかし、「SubDocument_otherstyles.docx（サブ文書）」を挿入する際には、以下の画像のようにスタイルを維持するかのダイアログが表示されます。
これは、スタイル定義が異なる同一のスタイル名が存在しているためです。
表示されたダイアログの[いいえ]を選択すると、「SubDocument_otherstyles.docx（サブ文書）」側のスタイルが破棄され、以下の画像のように「MasterDocument.docx（マスタ文書）」のスタイルに変更されます。
表示されたダイアログの[はい]を選択すると、「SubDocument_otherstyles.docx（サブ文書）」側のスタイル名が変更され、以下の画像のようにスタイルが維持されます。
Word APIのサブ文書のリンク解除では、上記のMicrosoft Wordで作成したグループ文書に対して、グループ文書のマスタ文書にサブ文書を取り込むことができます。
Word APIでは、スタイルが重複した場合のオプションを指定することによって、以下の2種類の処理が実行できます。
| メンバ変数 | 説明 |
|---|---|
| Ignore |
重複しているサブ文書側のスタイルを破棄します。 実行結果は「重複するスタイルの破棄」と同様です。 |
| Maintain |
重複しているサブ文書側のスタイル名を変更して、スタイルを維持します。 実行結果は「重複するスタイルの維持」と同様です。 |
下図に、本章で説明した内容の実行例を示します。
[Install directory]/samples/templates/サブ文書のリンク解除.zipにサブ文書のリンク解除のサンプルファイルを含んでおります。