Office Server Document Converter V11.0 では、PDF出力機能が標準装備されています。 出力できるPDFのバージョンは以下のとおりです。
Office Server Document Converter V11.0 が出力するPDFには、次のような特徴があります。
PDF/Aは ISO 19005 で規定されており、電子文書の長期保存を目的とした仕様です。 Office Server Document Converter V11.0 は、以下のバージョンのPDF/Aを出力することができます。
PDF/Aの大きな特徴は以下が挙げられます。
PDF/A-1a | PDF/A-1b | PDF/A-2a | PDF/A-2b | PDF/A-2u | PDF/A-3a | PDF/A-3b | PDF/A-3u | |
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フォントはすべて埋め込まれなければならない | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
タグ付けされていなければならない | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × | × |
XMP準拠のメタデータを含んでいなければならない | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
暗号化してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
LZW圧縮してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
透明な画像を含めてよい | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
外部コンテンツを参照してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
JavaScriptを含めてよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
すべてのテキストはUnicodeに変換できなければならない | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
PDF/A を添付できる | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
PDF/A 以外の任意のファイルも添付できる | × | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
PDF/Aでは、すべてのフォントは埋め込まれなければなりません。埋め込みが許可されていないフォントを使用している場合、PDF/Aを生成することはできません。また、PDF/Aでは、ICCプロファイルも埋め込まなければなりません。したがって、出力インテントの指定はICCプロファイルのURL指定のみが有効となります。
フォントの埋め込みなど、多くの情報はユーザの設定を無視して適切なものが採用されます。
XMPメタデータは、PDFの文書情報から自動的に生成します。 これら以外の情報を埋め込むことは、Office Server Document Converter V11.0 ではできません。
フォームは、PDFにフォントを埋め込めないため、PDF/Aを生成することはできません。
リニアライズドPDF(Linearized PDF)にすることで、生成されたPDFのWebでの表示は高速となります。リニアライズドPDFの特徴は以下が挙げられます。
Web表示用に最適化したPDFとは、このリニアライズドPDFのことを指します。
注意: | 一部のビューアで、ファイルサイズが 4KB以下のリニアライズドPDFを、最適化されていないと判定することが確認されています。 |
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Adobe Type 1 フォント(Adobe標準の欧文基本14フォントを含む)、TrueTypeフォント(TrueTypeアウトライン形式のOpenTypeフォントを含む)、OpenTypeフォント(PostScriptアウトライン)、Macintosh TrueType フォントデータフォークスーツケース をサポートします。その他の形式のフォントはサポートされません。 詳細は、「フォント」を参照してください。
Office Server Document Converter V11.0 では使用するフォントが実行環境にインストールされている必要があります。Windows版でのフォントのインストール方法については、Windowsのヘルプ、あるいはフォントに添付される説明書などを参照してください。 Windows版で、フォントフォルダ以外に置いたフォントをPDFへ出力することができます。そのときは、フォント構築ファイルによる指定が必要です。ただし、そのフォントをGUIで表示することはできません。
Adobe Type 1 フォント内の次の14フォントは、PDFでは欧文基本14フォントと呼ばれます。
これらの欧文基本14フォント以外の Adobe Type 1 フォントを使用する場合でも、AFM(Adobe Font Metrics)ファイルを用意する必要はありません。 Adobe Type 1 フォントのグリフ名称と 組版データの文字コード(Unicode)との対応付けはAGL(Adobe Glyph List)の定義に沿って行います。AGL に定義されていない名称を持つグリフは出力されません。 AGLについては、.AFM ファイルを使用した場合のUnicodeとグリフのマッピングを参照してください。
注意: | 透過のある画像を含むPDFを Adobe Acrobat または Reader で表示すると、文字が若干太く表示されることがあります。これは、Adobe Acrobat または Reader の既知の問題です。 |
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サポートされる文字セットは以下のものです。
Office Server Document Converter V11.0 の内部処理はすべて Unicode で行われます。中国語、日本語、韓国語(CJK) の文字の場合、Office Server Document Converter V11.0 が出力するPDFは、この Unicode を、それぞれ以下のCMapを使用して、CJK各文字セット内のグリフへ割り当てています。
上記の文字セットに含まれない文字が変換元文書内に含まれていた場合、フォントファイルからグリフを取得して、PDFに埋め込みを行います。この処理は TrueType、OpenTypeフォントに対してのみ行われます。
PDFにフォントを埋め込むことで、フォントが存在しない環境でも表示可能なPDFファイルを作成することができます。
TrueTypeフォントの場合、デフォルトの設定では、フォントが対応する文字セットに定義のない文字のみ、フォントの埋め込みを行います。フォントベンダによって埋め込みが禁止されているフォントであった場合、エラーを返して終了します。これをエラーとせず、空白文字に置き換えてPDF出力を行うこともできます。 なお、埋め込みを行うフォントとして指定された場合、指定されたフォント内の文字は文字セットに含まれている文字か否かによらず、埋め込まれます。
Adobe Type 1フォントの場合、デフォルトの設定では、フォント固有のエンコーディング(font specific encoding)を持つフォントのみ、埋め込みを行います。 TrueTypeの場合と同様に、埋め込みを行うフォントとして指定されたフォントは、標準のエンコーディング(standard encoding)を持つフォントも埋め込まれます。
サポートしているグラフィクスについては、「グラフィクス」を参照してください。
MS Office文書に貼り付けたラスタ画像は、いくつかの形式でファイル内に入っています。Office Server Document Converter V11.0では、PDFに直接埋め込める形式の場合、変換元文書から抽出された画像をそのまま埋め込みますが、そうでない場合は、JPEGなどに変換してからPDFに埋め込みます。変換のできない形式の画像は無視します。
PDFに直接埋め込むことのできるラスタ画像は以下のとおりです。
ただし、次のような制約があります。
透過オブジェクトが含まれているファイルをPDFに変換した場合、変換結果をAdobr Reader等で表示すると色がくすんでしまう場合があります。そのときに透過処理のカラースペースをRGBに変換することによって回避出来ます。オプション設定ファイル で以下のように指定してください。
なお、本設定はV4.0MR3以降より有効で、V5以降からは、デフォルトでカラーモデルをRGBで出力するようになります。