Office Server Document Converterよくいただくご質問

動作環境について

Office Server Document Converter V9.0はLinuxのどのディストリビューションに対応していますか?

特定のディストリビューションに依存する事はあまりなく、libc.so.6(glibc-2.28), libstdc++6.0.25、もしくは、これらとバイナリ互換性があるライブラリがあれば動作します。

Docx2HTML出力版は、glibc-2.17, libstdc++.so.6.0.19以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリがあれば動作します。

Amazon Linux 2 Graviton2版は、glibc-2.26, libstdc++6.0.24、もしくは、これらとバイナリ互換性があるライブラリがあれば動作します。

Office Server Document Converter V9.0はWindows/Linux以外で動作しますか?

既存の製品はWindows/Linux以外では動作しません。しかしOS依存部分を極力無くして作り込んでいるため、ご要望いただければ別途費用にてWindows/Linux以外のOSへの対応を検討させていただきます。

Office Server Document Converter V9.0は.Net環境で動作しますか?

  • Windows版は、.NET 6、.NET Framework 4.8.x/ 4.7.x/ 4.6.x/ 4.5.x/ 4.0
  • Linux版は、.NET 6

にてご使用いただけます。

ただし、注意事項として .NETインターフェイスを利用するとき、Office Server Document Converter を同一マシンに複数インストールしておくことはできません。
どちらかをアンインストールして、環境変数PATHに不要な Office Server Document Converter へのPATHが含まれないようにしてください。

Office Server Document Converter V9.0はJavaへの対応はどうなっていますか?

Java 11以降で動作します。
Javaインターフェイスは、Eclipse Temurin JDK (旧AdoptOpenJDK) 11 を使ってビルドされています。Java 11未満のJava実行環境はサポートしておりません。

インストール関連

OSDCのバージョンと改訂版とはどのような意味ですか?

バージョンとは、「Vn.m」形式で表記されるメジャーバージョン(n)とマイナーバージョン(m)の組み合わせです。nの増加をメジャーバージョンアップ、mの増加をマイナーバージョンアップといいます。

改訂版とは新旧バージョン番号(Vn.mのnとm)が同一でリリース日のみが新しくなっている製品をいいます。メンテナンスリリース(MR)と呼ぶこともあります。バージョン番号の後にMR番号が表記されます。

製品版のライセンスを購入したので、評価版を正式版にしたいのですがどうしたら良いですか。

電子納品の納品物(下記)の中に、ライセンスファイル(ファイル名:sbcnlic.dat(正式ライセンスファイル))があります。評価版インストール先フォルダにあるsbcnlic.datを納品物中の正式ライセンスファイルに入れ替えてください。

< システム製品納品物 >

  • ライセンスファイル
  • システム製品ライセンス証書
  • システム製品「通常保守サービス」約款
  • ソフトウエア製品使用許諾契約書
  • 保守契約のご案内 ※保守更新時の納品のみ

評価版をインストール後に改訂版(MR)がリリースされました。その後、製品版を購入しましたが、アップデートはどのような手順になるでしょうか。

Windows版のとき、評価版と製品版のバージョンが同じでリリース日が新しく(改訂版に)なっている場合は、次の手順でアップデートできます。順序はどちらでも構いません。

  • ① 旧評価版をインストールしたフォルダに改訂版(最新版)を上書きインストールする。
  • ② インストール先のライセンスファイルを正式ライセンスファイルに入れ替える。

Linux版は、旧評価版を一旦アンインストールしてから、改訂版をインストールし、その後に正式ライセンスファイルを配置します。

OSDCのライセンスファイルに記載されている情報を確認するにはどうしたら良いですか?

コマンドラインでsbccmd -v を実行すると、ライセンス情報を画面に表示できます。

OSDCのバージョンアップの際、旧バージョンをアンインストールする必要がありますか?

Windows版の場合、OSDC V7.2以降は、異なるバージョンのOSDCを1台のPC上にインストールして使用できます。V7.1以前は、異なるバージョンを1台のPC上にインストールしてお使いいただけません。旧バージョンをアンインストールしてから、新しいバージョンをインストールしてください 。

Linux版の場合は、旧バージョンをアンインストールしてから、新しいバージョンをインストールするのをお勧めします。なお、旧バージョンとは別フォルダに新規インストールし、新たに環境変数を設定して利用することは可能です。

Linux版のアンインストールはどのように行いますか?

Linux版はrpmパッケージとして提供していますので、rpm -eコマンドでアンインストールします。次に環境変数を設定している場合は削除します。環境変数については、次のページを参照してください。
https://www.antenna.co.jp/sbc/manual/sbc-env.html

OSDCの改訂版(MR)は上書きインストールできますか? そのときファイルはどうなりますか?

Windows版の場合、改訂版を上書きインストールできます。上書きインストールでは、実行バイナリ・ファイルは日付とファイルバージョンを確認して新しいものに置き換わります。オンラインマニュアルなどの非実行ファイルは日付を確認して新しいものに置き換わります。ライセンスファイルは置き換えません 。

Linux版は上書きインストールできません。改訂版をインストールする前に旧版をアンインストールしてください。

OSDCをバージョンアップするとき、ライセンスファイル(sbcnlic.dat)の入れ替えは必要ですか。

メジャーバージョンアップでは、ライセンスファイルの入れ替えは必須です。マイナーバージョンアップでは保守期限内にリリースされたバージョンであればライセンスファイルの入れ替えは必須ではありません。

保守契約期限内であれば、メジャーバージョンアップ用の新しいライセンスファイルは、保守契約窓口(hosyu@antenna.co.jp)に請求して入手できます。

OSDCを改訂版に更新するとき、ライセンスファイル(sbcnlic.dat)の入れ替えは必要ですか。

OSDCの改訂版リリース日が、ライセンスファイルに記載されている保守期限内であれば、ライセンスファイル置き換えは必須ではありません。ライセンスファイルに記載された保守期限を過ぎてからリリースされた改訂版を使用するには、保守期限を更新したライセンスファイルに入れ替える必要があります。

OSDCの正式版を使用していました。改訂版がリリースされたので上書きインストールして起動したところ、評価版のメッセージが出力されます。なぜでしょうか。

ライセンスファイルの保守期限が切れていると考えられます。保守期限を更新したライセンスファイルに入れ替えていただく必要があります。

ライセンスファイルについては次を参照してください。
ライセンスファイルに関して

バージョンの移行をしたところ、評価版のメッセージが出力されます。新しいライセンスの発行はどこに連絡すれば良いですか。

製品のバージョンアップは次の窓口で承っております。年間の保守サポートサービスの期限内ですと、無償でバージョンアップが可能です。

保守契約窓口(hosyu@antenna.co.jp)

「保守更新のご案内」のライセンスファイルの適用手順に「当該製品を使用しているシステムを停止します」とあるが、どういった意味ですか。

2023年3月以前の保守更新時に同梱していた「保守契約のご案内.pdf」に記載されているライセンスファイルの入れ替え手順には不要な手順が含まれています。現在は、以下のとおり訂正いたしました。

ライセンスファイルの入れ換え手順

  1. 添付ファイル内の製品シリアル番号フォルダに、ライセンスファイルがあることを確認してください。ライセンスファイルの拡張子は、.lic または.dat です。
  2. 当該製品のインストール先、または【マニュアルに記載されている】配置先にある、同名のライセンスファイルのバックアップを取ってください。
  3. 弊社当該製品を終了してください。
  4. (1)の新しいファイルを、(2)の古いファイルに上書きしてください。

VC++ランタイムのインストールなしでOSDCを動作させることはできますか。

Windows版のOSDCは、MicrosoftのVisual C++(VC++)を使用して開発されています。従って、開発に使用したVC++のバージョンとバイナリ互換のランタイムライブラリーが必須です。

OSDCの旧バージョンでは、インストール時にVC++のランタイムをインストールするかどうか問い合わせていました。しかし、最近のバージョンではこの問合せを廃止し、OSDCのインストーラがVC++の再頒布可能パッケージのインストーラを起動するようになっています。

インストール先のPCに、VC++のランタイムが存在している場合はどうなりますか?

OSDCのインストーラはMicrosoft VC++の再頒布可能パッケージのインストーラを起動します。お使いの環境に古いVC++のランタイムが存在するとき、通常は、Microsoft VC++の再頒布可能パッケージが新しいものに置き換わります。

このとき、Windowsの再起動を要求されることがありますので、ご注意ください。

ランタイムライブラリのインストールが失敗します。どうしてですか?

Office Server Document Converter V9.0は、Windowsで動作する場合にMicrosoft Visual C++ 2022 ランタイムライブラリ(以下、ランタイムライブラリ)が必要です。Office Server Document Converter V9.0をインストールの際に必要なランタイムライブラリが無い場合は、ランタイムライブラリのインストールを行ないます。

そのランタイムライブラリのインストールにおいて、既に新しいバージョンがインストールされている場合は、ダウングレードになるためランタイムライブラリのインストールが失敗となります。そのままOffice Server Document Converter V9.0のインストールを続行してください。

Office Server Document Converter V9.0のインストールが完了した後にコマンドライン版で「sbccmd -v」等の簡単なコマンドで動作を確認してみてください。既に必要なランタイムライブラリがある状態なので、Office Server Document Converter V9.0は正常に動作すると思われます。

(Windows版)現在バージョンのアンインストール後にバージョンアップを実施したところ、「セットアップ失敗」画面が表示されます。本エラー画面を閉じるとインストールは継続し、正常終了するようですが本手順で問題ないでしょうか?

より新しいランタイムが存在するとき、Microsoft VC++の再頒布可能パッケージのインストーラが、「セットアップ失敗」画面を表示することがあります。この場合、エラー画面を閉じるとインストールが継続し、正常終了します。「セットアップ失敗」が表示されてもOSDCをご使用いただく上では問題ありません。

Microsoft Visual C++ の最新版VC++ 2022でアプリケーションを開発する予定です。OSDCのC++インターフェイスを組み込むことはできますか?

VC++のランタイムは、VC++ 2015から2022までバイナリ互換性があります。次のページを参照してください。

Visual Studio のバージョン間の C++ バイナリ互換性
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/porting/binary-compat-2015-2017?view=msvc-170

OSDCをビルドしたVC++のバージョンは次のとおりです。VC++2015以降のVC++でビルドしたOSDCであればVC++ 2022でお使いいただけます。

OSDCのバージョン OSDCをビルドしたVC++のバージョン
OSDC V9.0 Microsoft Visual C++ 2022
OSDC V7.1~V8.0 Microsoft Visual C++ 2019
OSDC V6.1~V7.0 Microsoft Visual C++ 2015

改訂版(メンテナンスリリース)がリリースされた際にユーザー登録申請書に記載した管理担当のメールアドレスにリリースの案内は、届かないのでしょうか?

改訂版の公開時には、原則として、ユーザー登録申請書に記載されている連絡窓口宛てに、公開のご案内を電子メールでお送りしております。

機能について

PDF作成

対応しているバージョンは?

PDF1.3~1.7迄とPDF2.0の各バージョンを指定して変換できます。
また、PDF/A-1b:2005 の出力、および9.0MR1からはPDF/A-2bの出力、に対応しております。

セキュリティ付きのPDFを作成できますか?

PDFを開く際のパスワード(ユーザパスワードまたは閲覧パスワード)の設定が可能です。
また、印刷許可、変更許可、コピー許可、及びテキスト抽出許可などのパーミッション(マスターパスワード)の設定が可能です。

OSDCではPDF作成に仮想プリンタを使用していますか。

OSDCは、仮想プリンタを使用せずにPDFファイルを作成しております。

OSDCで出力したPDFをブラウザ(Microsoft Edge PDFリーダー)とAdobe Acrobat DCで開いた際に違いが生じます。具体的には、Adobe Acrobat DCで表示した際に「」や特定の文字や数字の前後にスペースが入ったように見えてしまいます。

Microsoft EdgeのPDFリーダーとAcrobatのPDF表示処理の相違によるものです。OSDCのPDF出力の問題ではありません。

イメージの作成

変換できるファイル形式はなんですか?

出力先のファイルフォーマットとしては、

  • JPEG
  • PNG
  • TIFF

が指定できます。
*Linux版画像出力では、一部制限事項があります。

画像サイズや縮小率は指定できますか?

はい。
出力時の縮小率を% 値または px(ピクセル)値で指定することが可能です。

TIFF G4に出力できますか?

はい。 G4の他、

  • LZW圧縮
  • JPEG圧縮
  • DEFLATE圧縮
  • ランレングス圧縮
  • CCITT Group3

が指定できます。

変換元が複数ページある場合、出力されるページ数はどうなりますか?

JPEG/PNGを指定されている場合は、ページ毎に1ファイルが作成されます。(連番付き)
TIFFの場合もJPEG/PNGと同じですが、出力指定で「MultiPage TIFF(MTIFF)」を指定された場合は、全てのページが1ファイルに出力されます。

変換結果の画質が悪いのですが。

Windows版で使用する場合には、「画面の色」の設定を32bit以上にして再度お試しください。
また、JPEG への変換品質を 指定できます。デフォルトでは 80% が指定されたものとみなします。

SVGの作成

対応しているバージョンは?

SVG1.1/SVG Basic/SVG Tinyの各バージョンを指定して変換できます。

フォントの埋め込みはできますか?

作成元Microsoft Office(Word/Excel/Powerpoint)ファイルで使用していたフォントの埋め込みが可能です。 (サーバー上に同一のフォントがインストールされていることが前提です。)

ページ単位での出力はできますか?

はい。
ただし、ページの境界が元ファイルと同じになるかは保証できません。

XPSの作成

XPSとは?

XPS(XML Paper Specification)はマイクロソフト社の電子文書フォーマットで、Microsoft Office 2007から採用されています。
Microsoft社製品では多数のファイルを一度に XPSに変換するのは困難ですがOffice Server Document Converterは可能です。

INXの作成

INXとは?

INXは、Adobe の InDesign の旧製品や、InCopy、GoLive などの関連製品で互いに読み込みができるようにするための交換用のXMLファイルです。
INXフォーマットには、InDesignR のオブジェクトやプロパティが要素や属性の形で保管されています。

その他

PDFを作成する場合、変換元もPDFにできますか?

はい、PDFをPDFに変換することは可能です。
変換結果は、JavaScriptやリンク注釈が取り除かれて無害化したPDFが作成されます。

Linux版でもイメージ出力できますか?

可能です。
但し、Windows版と異なり以下の制限があります。

  • モノクロへの変換はサポートしておりません。
  • 256色カラーへの変換はサポートしておりません。

ブラウザでアプリケーション実行すると構成エラーがありますと表示される場合があるのですが。

Netインターフェースを使用される場合に、Office Server Document Converter V9.0のインターフェースモジュールを適切な箇所へ配置されていない場合に発生します。

DfvDotNet40Ctl90.dllをプロジェクトフォルダ\binにコピーして再度お試し下さい。
(例:\Inetpub\wwwroot\bin)

上記でも動作ができない場合は、Office Server Document Converter V9.0の「DfvXfoCommon90.dll」というモジュールも「DfvDotNet40Ctl90.dll」と同様の場所へコピーし再度お試し下さい。

ただ、「DfvXfoCommon90.dll」をコピーして動作する場合はIISの構成自体に問題がある場合が多いです。
IISやApache等、お使いのWEBサーバーの再構成をしていただくと「DfvDotNet40Ctl90.dll」をコピーしていただくだけで動作するかと思われます。
※.NET Frameworkの場合です。

処理速度は?

変換するファイルの内容や動作環境に大きく左右されるため、一概に処理速度をお答えできませんが、1ページの変換にかかる時間はおおむね1秒未満です。

評価版をご用意しておりますので、ご使用予定の環境にてお試しください。
評価版のお申し込み

テキストファイルに関して

以下の文字コードで作成されているテキストファイルに対応しております。

  • 国際規格 ISO-10646-UCS-2、ISO-10646-UCS-4、UTF-8、UTF-16
  • 日本語 Shift_JIS、Windows31J、EUC-JP、ISO-2022-JP、Shift_JIS-2004、ISO-2022-JP-2004、EUC-JIS-2004
  • 英語 ISO-8859-1
  • 中国語/韓国語 GB18030、GBK、Big5、KS_C_5601_1987

上記以外はテキストファイルと認識されずエラーが返されます。

変換できないファイルはありますか?

変換対応ファイル形式の詳細は、オンラインマニュアルを参照してください。

変換対応のファイル型式でも、ファイルの内容に不備がある場合は変換できない場合があります。
その場合は、作成元アプリケーションで再保存(別名保存)することにより、ファイル内の不備が修復され変換可能となる場合があります。お試しください。

ExcelからPDF変換

ExcelからPDFに変換するとき、出力する用紙サイズの指定はどのようになりますか。

用紙サイズがExcelファイルに保存されているとき、PDFはその用紙サイズになります。
プログラムから用紙サイズを指定したいときは、xls-paper-setting機能を使います。xls-paper-settingには、‑xlspaperと‑xlspaperdefaultの二つのパラメータがあります。

例えば、用紙サイズをJIS規格のB4に強制する場合は、

”-xlspapaer B4”または “-xlspapaer custom:257mm:364mm”

のように指定します。この場合、すべてのExcelファイルからB4サイズで出力されます。

Excelファイルに用紙サイズが指定されていないときのみ、用紙サイズをJIS規格のB4に強制する場合は、

”‑xlspaperdefault B4”または “‑xlspaperdefault custom:257mm:364mm”

のように指定します。

なお、パラメータ指定例はいずれもコマンドライン版です。

Excel から印刷したり、Excelからプリンタードライバーを使ってPDFを作成するとき、プリンタードライバーを切り替えるとページ区切り位置が変わることがあります。OSDCでExcelファイルを印刷したりPDFに変換するときも指定したプリンタードライバーによってページ区切り位置が変わることがありますか?

OSDCはExcelファイルをPDFに変換する際に、プリンタードライバーを使用していません。OSDCはExcelファイルに保存された用紙サイズ、余白、フォントサイズ、セル幅やセルの高さなどの各種情報を使って、Excelファイルの印刷レイアウトを独自に計算してPDFを作成しています。

OSDCのオプション -p @STDPRNは、OSDCでレイアウト済のページを印刷するプリンターをお使いのWindowsに設定されているデフォルトプリンターに指定します。ページレイアウト自体はOSDCで計算済みの為、デフォルトプリンタードライバーを切り替えてもOSDCから出力するページ区切り位置が変わることはありません。

このため、Excelで印刷するときと同じプリンタードライバーを指定したとしても、OSDCから印刷したときのページ区切り位置がExcelで印刷したときと同じになることは保証されません。

なお、パラメータ指定例はコマンドライン版です。

OSDCでExcelファイルをPDFに変換すると、ExcelでPDFにエクスポートしたり、または、プリンタードライバーでPDFに出力したときと、ページ区切り位置が変わることがあります。これはなぜですか?回避策はありますか。

OSDCはExcelファイルに保存された各種情報を使って、Excelファイルの印刷レイアウトを独自に計算してPDFを作成しています。この計算方法がExcelの計算方法と完全には同じでないため、Excelと全く同等のページ区切り位置を再現できません。なお、Excel自身でも、印刷時のレイアウトが意図したとおりにならないことがあります。

例えば、次のマイクロソフトのサポートページをご参照ください。
Excel2013で作成したファイルを2010で開くと行の高さが変わってしまう

このようなことが起きる原因は、上記のマイクロソフトのヘルプに書かれているように、ExcelはDTPソフトとは異なり、ページレイアウトの再現性を重視していないためです。

OSDCは、Excelに近くなるように努力していますが、Excelと全く同等のページ区切り位置を再現するのはおそらく実現不可能です。

また、回避策についても上記ヘルプが参考になります。

Excelで印刷すると1ページになったのに、OSDCでExcelファイルをPDFに変換すると2ページになってしまいます。1ページに収めるように指定する方法はありますか?

1ページに収めるには、xls-paper-setting機能で次のように指定してください。

すべてのExcelファイルについてPDFを1ページに収めたいなら

“‑xlspaper page:1:1”

を設定します。

また、Excelファイルに拡大・縮小率が設定されているとき、それを有効とし、Excelファイルに拡大・縮小率が設定されていないときだけPDFを1ページに収めたいなら

“‑xlspaperdefault page:1:1”

を設定します。

ちなみに、page:n:m を指定すると、列方向をnページ以内、行方向をmページ以内に収めるように縮小してPDFに出力します。なお、縮小率の最小値は10%で、それ以上小さくすることはできません。

なお、パラメータ指定例はコマンドライン版です。

Excelファイルの印刷範囲を指定して、設定→拡大/縮小で99%を設定して、印刷時に1ページになるようにしてあります。このExcelファイルをOSDCでPDFに変換すると2ページになってしまいます。なぜでしょうか。

指定されたExcelファイルをExcel自身でPDFに保存してみると、動作環境によって1ページになったり、2ページになったりします。ぎりぎり1ページに入るような設定をしているExcelファイルをOSDCでPDFに変換する場合、確実に1ページになることを保証できません。

すべてのファイルを1ページのPDFに変換したいなら、xls-paper-setting機能で、

“‑xlspaper page:1:1”

を指定してください。

ExcelファイルをPDFに変換するとき、OSDCの動作環境によって、変換元のExcelファイルが同じでも、作成されたPDFのページ数が異なる場合があります。これはなぜですか?

OSDCはExcelファイルに保存されているフォントの情報を利用して、これを文字の配置を行う際の計算に使用しております。動作環境にExcelファイルで指定されているフォントがないときは、動作環境にあるフォントから代替フォントを選択して使います。

代替フォントが、指定されているフォントと異なるとフォントの寸法が異なるため、そこから計算した結果として、改ページ位置が変わることがあります。

動作環境によってインストールされているフォントの種類が異なると、選択される代替フォントが異なる結果となります。その結果、OSDCが計算する改ページ位置が変わり、PDFのページ数が変ることがあります。

OSDCをバージョンアップして、同じExcelファイルをPDFに変換してみました。旧バージョンと新バージョンで作成されたPDFのページ数が異なることがあります。これはなぜですか。

弊社でも日々OSDCの改善のために調査検証を行っています。変換エンジンの改善で再現性が高まるのに伴い、旧版の変換結果と差異が生じる場合があります。Officeのレイアウトと乖離してしまっている場合は改修課題として対応しますが、再現性が高まっている場合は現状維持とさせていただきます。

Excelの関数に対応していますか。例えば、次のような場合、OSDCで変換したPDFで関数の値はどうなりますか。

  • 関数 SUM()の値
  • TODAY() や NOW() 関数の日付

Excelの関数には対応していません。Excelでその関数を使った際の結果がExcelファイルに埋め込まれています。OSDCはその結果の値を変換しています。

関数SUM() を使って合計値を計算しているセルでは、計算結果がファイルに埋め込まれています。OSDCでは、保存されている数値がPDFに出力されます。

関数 TODAY() を使って12月20日に保存したファイルは、12月21日以降 に変換を行っても、該当のセルは『12月20日』と変換されます。

サードパーティのツールで作成したExcelファイルには関数の計算結果が埋め込まれていないことがあり、その場合は計算結果が表示されません。

Excelのシートで他のファイルのセルを参照し、その後参照先のExcelファイルでセルの値が変更された場合、OSDCで変換したPDFではどうなりますか?

他のファイルのセルを参照しているときは、Excelで参照元のExcelファイルを最後に保存したときに埋め込まれた参照先のセルの値となります。

WordからPDF変換

WordファイルをOSDCでPDFに変換すると、元のWordファイルからWordで印刷したときとページ数が変わることがあります。ページ数をWordと同じにできませんか。

OSDCではできるだけWordで処理したときと同じページ数になるように努力していますが、完全に同じになることを保証できません。ページ数が同じにならない原因は多様ですが、大きな原因は次のとおりです。

Microsoft Wordの編集画面で行にテキストを入力するとき、入力位置が行に文字がそれ以上入らなくなる位置(改行位置)を超えると、入力位置は次の行の行頭に進み、新しい行の行頭から文字が入力されます。さらに行が増えて、ページの最後で行がこれ以上入らなくなる位置(改ページ位置)を超えると、次のページの先頭から新しい行が始まります。ここで説明した改行位置や改ページ位置は、通常、Wordファイルに保存されていません。

OSDCはPDFを作成するためにページ上にテキストを配置するときもWordと同じように、改行位置と改ページ位置を独自に計算して文字を配置していきます。この計算方法は、OSDCとMicrosoft Wordとでは完全に同じではありません。このためWordの画面上での改行位置・改ページ位置と、OSDCで作成したPDFでの改行位置・改ページ位置が一致しないことがあります。

段落に指定されているスタイル(フォントファミリー、フォントの大きさ、行間隔など)の設定によっては、WordとOSDCで、改行位置・改ページ位置の計算結果の違いが大きくなることがあります。このようなことが起きた場合、Wordで作成したPDFとOSDCで作成したPDFでページ数が異なる結果になります。

Wordで作成したPDFとOSDCで作成したPDFでは、どのようなときにページ数の差がでますか?

Wordファイルに指定されているフォントファミリーが、OSDCが動作する環境で使えないときにページ数の差が大きくなる可能性があります。このようなとき、OSDCは動作環境で使えるフォントの中から代替フォントを選択します。フォントファミリーが異なると、文字の配置を計算する基礎となるフォントの寸法が異なります。

代替フォントのフォント寸法が変ると、元の環境でWordファイルから作成したPDFと比べて、改行位置と改ページ位置が異なることになります。

特にWindowsのみにバンドルされているフォントを設定したOfficeファイルを、Linux環境でOSDCによってPDFに変換すると、代替フォントを使うためページ数の差が大きくなる可能性があります。

docやRTF形式の文書をPDFに変換した結果、レイアウトの再現性が低い場合、Microsoft Wordで変換元ファイルを読み込んで、docx形式で保存し直すと問題が改善されますか?

OSDCはdocやRTFの変換エンジンとdocxの変換エンジンが異なっており、docx用の変換エンジンでは変換の再現性が大幅に改善されています。このためdocx形式に保存をしなおすことで改善されることがあります。但し、これはあくまで可能性であって保証はできません。

Wordファイルでノンブル(ページ番号)をX/Y形式で指定しています。このファイルをOSDCでPDF変換すると、総ページ数(Y)ができあがったPDFの総ページ数と異なることがあります。この問題を解消できますか。

ページ番号の総ページ数(Y)はWordファイルのページ総数フィールドに格納されている値を出力しています。このため、Yの値がPDFの総ページ数と一致しないケースがあります。

このような場合、変換時にオプション  
-docpagenumbercorrection
を指定することで対応できます。

-docpagenumbercorrectionを指定すると、Wordで自動作成した目次項目のページ番号を出力するPDFのページ番号に一致するように調整もできます。

なお、パラメータ指定例はいずれもコマンドライン版です。

フォント

出力PDFへのフォントの埋め込みはできますか?

使用するフォントが、OSDCが動作するサーバー環境で使用できるようになっており、かつ埋め込み許可されていれば出力PDFに埋め込むことができます。

なお、作成元Microsoft Office(Word/Excel/PowerPoint)ファイルで指定されているのと同じフォントがサーバー環境にあれば、OSDCはPDF作成時にそのフォントを使用します。しかし、同じフォントがない場合は、OSDCは代替フォントを使用しますので、代替フォントが埋め込み許可されている必要があります。

OSDCでOfficeからPDFに変換を行いました。変換を実行しているサーバーに、Officeファイルで指定されているフォントがあるにもかかわらず、できたPDFファイルを表示すると別のフォントになってしまうのはなぜですか。

PDFファイルをAdobe Readerで開き、「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」を確認すると、PDFファイル内に含まれるフォントはOfficeで指定されているフォントになっています。このPDFファイルを表示したとき別のフォントで表示されるのは、変換時にフォントの埋め込みを指定しなかったためです。

フォントが埋め込まれていない場合、指定したフォントが無い環境で表示した際には別のフォントで表示されます。PDF変換時に、OSDCの変換パラメータのオプションでフォントを埋め込むように指定してください。

JAVAインターフェイスのjp.co.antenna.DfvJavaCtl.DfvObjのsetPdfEmbedAllFonts()メソッドには、「埋め込み可能な全てのフォントを埋め込みます。」とありますが、埋め込み可能かどうかはどのように判定しているのか教えてください。

TrueTypeやOpenTypeのフォントファイルには埋め込み許可フラグがあります。OSDCは、フォントの「埋め込み許可」の情報をチェックして埋め込みができるかどうかを判断しております。

詳しくは、次のWebページを参照してください。
https://www.antenna.co.jp/pdf/reference/FontEmbedding.html#a0404

オンラインマニュアルに記載の範囲では、以下の内容となります。

・TrueType フォントの埋め込み
https://www.antenna.co.jp/sbc/manual/sbc-font.html#truetype-font-embedding
※OpenTypeフォントも同様です。

埋め込み可能なフォントのリスト等はありますか。

埋め込み可能なフォントリスト等の資料は弊社では作成しておりません。

すかし

コマンドラインでPDF出力する際、すかしのテキストを毎回変えることはできますか。

すかしのテキスト設定については、次のコマンドライン・パラメータで任意の文字を設定できます。
-wmarktext 文字列

すかしに関するコマンドライン・パラメータについては次のページの説明をご参照ください。
https://www.antenna.co.jp/sbc/manual/sbc-xslcmd.html#watermark-parameters

すかし文字に関するパラメータと、パラメータを省略した時のデフォルト値を教えてください。

OSDCがPDFを出力するとき、すかし文字に設定できる属性は、次表の4項目です。属性の値はコマンドライン「すかし文字に関するパラメータ」で指定するか、オプション設定ファイルの組版設定要素(formatter-settings)の属性の属性値として指定します。デフォルト値を表に記載しました。

 
すかしの属性機能 コマンドラインオプション 組版設定(属性) デフォルト値
文字列 -wmarktext watermark-text なし
フォントファミリ -wmarkfont watermark-font-family sans-serif
フォントの太さ -wmarkweight watermark-font-weight normal
フォントスタイル -wmarkstyle watermark-font-style normal
不透明度 -wmarkopacity watermark-opacity 0.2
不透明度を仮にvとすると、
0<v≦1(1.0が不透明)。

OSDCでは、すかし文字に、表に示した項目以外の属性は指定できません。

Windows版のコマンドラインで使用するとき、すかしの文字にUnicode文字の利用はできますか。

できます。日本語WindowsのコマンドラインはデフォルトではシフトJISのため、すかしにUnicodeでないと使えない文字を入力するときは、オプション設定ファイルでformatter-settings要素のwatermark-text属性値に文字列を指定するのが簡単です。

変換実行時のエラー

オンラインマニュアル未掲載のエラーコードに関して

Office Server Document Converterに添付されているオンラインマニュアル未掲載のエラーコードが返される場合は、大変申し訳ございませんが、弊社サポート担当へご連絡ください。
内容を確認し、エラーの原因を調査後ご回答させていただきます。

OSDCでOfficeファイルをPDFに変換中、プログラムが応答しなくなってしまいました。原因はどんなことが考えられますか? 対応策はありますか?

Officeファイルには、例えば、Wordファイルについても、docx、doc、RTFなど各種の形式があります。こうしたファイルを変換する際に、応答しなくなる現象が起きる原因は多様です。例えば、次のようなことがあります。

  • Officeファイルが破損している
  • Officeファイルに異常な値が設定されている
  • Microsoft Officeで作成したファイルには存在するはずの情報が存在しない

このように原因が多様なため対応策はケースバイケースになります。Microsoft Officeでファイルを読み込んで保存し直すと回復できることもありますが、一方、Microsoft Officeで編集しようとするとOfficeが異常終了したり、編集操作ができないファイルになっていることもあります。

しかし、OSDCはプログラムが応答しなくなる現象は致命的な問題と考えており、そのような現象が極力発生しないようにプログラムを修正しています。問題が起きたときは、その原因になっているOfficeファイルをサポート担当までご提供くださいますようにお願い致します。

OfficeファイルをPDFに変換している最中にエラーがでてプログラムが終了してしまいました。終了しないでPDFを作成できますか?

OSDC動作時に認識するエラーは、次の表のようにレベルが1から4に分かれています。致命的エラーでなければ処理を継続するように指定できます。

エラーレベル 意味
1 情報
2 警告
3 回復可能エラー
4 致命的エラー

OSDCの起動時に、エラーが発生したときに処理を中止するエラーレベル(中止条件)を設定すると、OSDCは中止条件以上のエラーが発生したときのみ途中で終了します。

何も設定しないとき(デフォルト)の中止条件は2なので、OSDCは警告レベルのエラー(2)が発生すると処理を打ち切って終了します。

中止条件を4に設定すると、警告レベルのエラー(2)や回復可能エラー(3)が途中で起きても、PDFを作成して正常終了します。

コマンドライン版では、中止条件は-extlevel パラメータで指定します。次に中止条件指定とエラー発生時の例を示します。

中止条件指定とエラー発生時の例

この例では、コマンドライン起動時に、-extlevel 4 を指定しているので、警告レベルのエラー(2)が発生しても正常終了してPDFファイルが出力されます。

Officeファイルからの変換時に、次のようなエラーが発生して正常終了できません。エラーメッセージを読み解くことができませんので、意味を教えてください。

  • ① Wordドキュメントの場合:Page1: Unsupported object: Track Changes
  • ② Excelドキュメントの場合:{}!B86: Unsupported object: Form(Note) graphic

いずれもファイル内に未サポートのオブジェクトが存在している旨のエラーです。エラーメッセージにはエラーコードが付随しているので、エラーコードを元に次のエラーメッセージ一覧で内容を確認できます。
https://www.antenna.co.jp/sbc/manual/sbc-error.html

Officeファイルからの変換時に未サポートオブジェクトが存在するのは、次のエラーメッセージが該当します。XXXXには未対応オブジェクトの種類が入ります。

エラーコード エラーレベル エラーメッセージ
55873 (DA41) 2 Unsupported XXXX(Word)
57858 (E202) 2 Unsupported XXXX(Excel)
53762 (D202) 2 Unsupported XXXX(Shape)

なお、例にある「Track Changes」はWordの変更履歴(V8.0からサポート済)、「Form(Note) graphic」はExcelのコメントです。

未対応オブジェクトが存在しているOfficeファイルがあっても中止しないで、PDFに変換するとどのようなPDFファイルが出力されますか。

未対応オブジェクトを無視してPDFを作成します。出力されるPDFの内容はオブジェクトの種類により異なり、変換元のOfficeファイルとは異なるレイアウトになることがあります。

その他

最新版がリリースされたときに過去に修正された不具合が再発していないかといった検査等をしていますか?
検査している場合、どのような方法で検査していますか?

OSDCの最新版の公開の際には必ずリグレッションテスト(回帰検査)を行っております。

弊社で作成したテストデータに加えて、過去に不具合として報告されたファイルのうちユーザーから破棄を求められたものを除いてテストデータとして蓄積しており、改訂版を公開する前に、これらのテストデータを変換し、過去の変換結果と比較して差異が無いかを確認しております。

回帰検査はどのようなツールを使用していますか?

回帰検査につきましては弊社製品のAntenna House リグレッションテストシステムと同等のツールを使用して、改訂前の出力PDFと改訂後の出力PDFを比較しています。

当該製品の情報は次のページをご覧ください。
https://www.antenna.co.jp/AHF/ahrts.html

OSDCはMicrosoft Office以外のサードパーティやオープンソースのツールで作成・編集したOfficeファイルを変換できますか?

Officeファイルはdocx、xlsx、pptxなどのOOXML形式と、doc、RTF、xls、pptなどの旧形式に分かれます。

OSDC V9は、サードパーティやオープンソースのツールで作成・編集したOOXML形式ファイルの変換を保証していません。但し、今後は、保証するツールを拡大していく方針です。

なお、OOXML形式に関する情報はこちらをご参照ください。
https://www.antenna.co.jp/sbc/#pagelink03

一方、旧形式にはパブリックな仕様がないため、変換できる対応ツールを広げる予定はありません。

OSDCでPDF出力すると元のOfficeファイルのタイトルが、変換後のPDFの文書プロパティのタイトルに設定されるが、変換後PDFの文書プロパティのタイトルを空欄にできますか。

OSDC V9.0R1でOfficeファイルに設定されているプロパティ (Title/ Subject/ Author/ Keywords) をPDFに出力しないを追加しました。コマンドラインでは次のオプションになります。

-propertynonoutput

Webサイト上のオンラインマニュアルは最新バージョンのみの掲載ですが、以前のバージョンのマニュアルは、どちらから参照可能でしょうか。

以前のバージョンのマニュアルはオンライン上にありません。製品インストール先に当該製品のマニュアルを保存したフォルダがありますので、そちらをご参照ください。