PDFのサムネイルとはなんですか？　どんな使い方がありますか？

ページ・ナビゲーション

主要なPDFリーダーにはサムネイルペインが備わっています。サムネイルペインはPDFファイルのページ毎のサムネイルを一覧表示して、ページのナビゲーションを行うためのものです。サムネイルの一覧から、読みたいページを識別してクリックするとメイン表示ペインに指定したページを表示します。
Adobe Readerの場合は、左にサムネイルペイン、右がメインの表示ペインになります。

主要なブラウザにはPDFファイルの内容を表示するPDFリーダー機能が組み込まれています。ブラウザのPDFリーダーでもサムネイルペインが使えます。
次の図は、FireFoxでPDFを表示してサムネイルペインを表示した状態です。Adobe Readerとは違ってメインページの上にサムネイルペインを重ねて表示しています。

このようにサムネイルによるナビゲーションは、しおりと並んでPDFの内部のページにランダムにアクセスするための重要な機能となっています。しおりは、見出しのツリー構造として構築して、PDFファイルに用意しておかねばならないため、多少の手間がかかります。しおりの詳細は「PDFのしおりってなに？ どうやって作るの？」をご参照ください。一方、サムネイルは後述のように事前に用意しなくても使えますので、ナビゲーション手段としては、しおりより幅広いPDFで使えます。但し、文書全体の構成をざっとみて閲覧したい箇所を見つけるにはしおりの方が優れています。

サムネイルによるページ編集

ページサムネイルを使ってPDFのページ編集を行うソフトは沢山あります。アンテナハウスの『アウトライナー2.5』や『PDF編集8』はサムネイルによりPDFのページの結合、順序入れ替え、ページ削除が簡単にできます。

次の図は『アウトライナー2.5』のページ編集画面です。
１番左のペインでは、ページのサムネイルを使って、ページの入れ替え、削除、結合などの編集操作を行います。中央のペインには、別のPDFのページをサムネイル表示して、選択したページを左のペインに取り込めます。左のペインでサムネイル表示した順序に従って、ページを結合して新しいPDFファイルを書き出します。

PDFファイルへのサムネイルをどのように用意するか

ページサムネイルはあらかじめ用意するか、PDFリーダーが表示時に用意します。

サムネイルの埋め込み

PDFファイルを作成するときに、各ページのサムネイルを作成して、PDFファイルの中に埋め込むことができます。『イラストレータ』の場合は、編集中のファイルをPDFファイルとして保存するときの設定画面で「サムネイル埋め込み」機能にチェックすると、作成したPDFファイルの中に各ページのサムネイルをあらかじめ埋め込みます。