1. 付属APIの概要
『付属API』は、『Antenna House PDF Driver V8.0』(PDF Driver V8.0)を制御するAPIです。『出力先指定API』、『設定編集API』の2種類があります。どちらのAPIについても32bit用、64bit用それぞれのモジュールを用意しています。
これらの付属APIでは、付属API側で印刷処理は行いません。
1.1. 出力先指定API
おもな機能は、PDF Driver V8.0の出力先ファイルパスの指定です。出力先を指定することにより、プログラムにおいてPDF Driverの印刷処理を行うとき、PDF Driverの保存ダイアログが表示されることなくPDF出力が行われます。
対応インターフェース:C++、.NET Framework 4.6.2以降
- .NET Framework用APIはC++ APIのラッパークラスとして作成されています。
- .NET Core、.NET5には非対応です。
- .NET6には対応予定です。
1.2. 設定編集API
PDF Driver V8.0の印刷設定の編集やPDF Driverへの設定値の指示、PDF Driverの印刷通知処理を行います。APIで編集した設定値をPDF Driverへ送りその後PDF Driverで印刷処理を実行したとき、出力されるPDFはAPIで編集した設定値となります。APIで編集した設定値は、印刷が終了すると破棄されます。
対応インターフェース:C++
1.3. 印刷開始・終了通知(設定編集API)
PDF Driver V8.0は、印刷の開始と終了をメッセージブロードキャストで通知します。設定編集APIでメッセージの識別番号や文字列を指定すると、その番号や文字列でWindowsメッセージを受信し、プログラム側で印刷の開始や終了を認識することができます。(印刷開始終了通知のしくみ)
1.4. 32bit/64bit ネイティブ対応
出力先指定API、設定編集APIは、32bit、64bitにネイティブ対応しています。モジュールファイルは、32bit用、64bit用それぞれに用意されています。
1.5. マルチプロセス/マルチスレッド対応
- 付属APIは、マルチスレッドあるいはマルチプロセスで利用できます。これにより、複数の文書を同時に印刷するような処理が可能です。ただし、マルチスレッドでは、各スレッドで印刷処理を行う場合は、あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意する必要があります。マルチプロセス利用においては、それぞれのプロセスの起動ユーザー名が同一になるケースでは、あらかじめ、プリンターを複数個用意する必要があります。
- スレッド1つにプリンター1つを割り当てて印刷を行います。このため、付属APIにより出力先や設定編集等の処理を行う場合、最初に、プリンター選択処理(SelectPrinter(())が必要となります。
- 1つのスレッドから同時に2つの印刷処理が行われないよう、制御する必要があります。
- Windows ServerのターミナルサービスなどのServer - Clientシステムで、Server上の付属APIを使用したプログラムを複数のClientユーザーが使用する場合に、Server上の1個のプリンターで処理を行うことができます。ただし、同一名の複数のClientユーザーからの利用があるケースでは、1個のプリンターでは処理を行うことはできません。あらかじめ、モデル名が「Antenna House PDF Driver 8.0」であるプリンターを複数個用意してください。