2. PDF Tool APIの開発環境を整える

ここでは、Windowsにおいて、Microsoft VIsual Studio 2022を利用してPDF Tool APIのサンプルコードをビルドするための環境整備について説明します。

2.1. ライブラリファイル、ヘッダーファイルを配置する

2.1.1. インストーラを利用する場合

  1. 「Setup-Windows\setup-lib.exe」をダブルクリックするなどして起動します。
  2. ダイアログの指示にしたがってインストールを行います。
  3. インストール途中に、Microsoft Visual C++ 2019 ランタイムライブラリのインストールを促すダイアログが表示された場合は、指示にしたがってインストールを行ってください。
  4. デフォルトのインストール先は以下のフォルダパスです。

{システムドライブ}:\Program Files\Antenna House\PDFToolAPI_V7_lib

2.1.2. インストーラを利用しない場合

「Lib-Windows」フォルダにライブラリファイルやヘッダファイルなどがあります。開発環境の任意の場所に配置します。

2.2. ライセンスファイルを配置する

2.2.1. インストーラを利用した場合

インストーラにより、ライセンスファイル「ptalic.dat」は「{インストールフォルダ}\License」フォルダに配置され、環境変数「PTL70_LIC_PATH」にフォルダパスが設定されます。

インストールされるライセンスファイルは、インストール後30 日間有効の評価用です。出力されるPDF ファイルに透かし文字列が挿入されます。

2.2.2. インストーラを利用しなかった場合

  • 配置方法1
  1. 弊社より発行するライセンスファイルを開発環境の任意の場所に配置します。
  2. 環境変数「PTL70_LIC_PATH」を作成し、配置したフォルダパスを設定します。
  • 配置方法2

ライセンスファイルを、PDF Tool APIのモジュールファイル「PdfTk70.dll」と同じ場所に配置します。

この場合、環境変数「PTL70_LIC_PATH」の作成は必要ありません。

2.3. フォントの準備

テキスト透かしを挿入したりページ上に文字を描画するには、フォント情報が必要です。

Windows版では、PDF Tool APIはシステムのフォントフォルダに存在するフォントを参照します。

2.3.1. フォントの場所

Windows では、オペレーティングシステムの仕様によりフォントファイルは下記のフォントフォルダに存在しています。

{システムドライブ}:\WINDOWS\Fonts

{システムドライブ}:\Users\{ユーザー名}\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts

上記のフォントフォルダとは異なる場所にあるフォントを参照する場合には、「フォント構築ファイル」を設定します。

2.3.2. フォント構築ファイルの作成

(1) フォント構築ファイルは、下記の場所にあります。

 {インストールフォルダ}\fontconfig 

または、

 Lib_Windows\fontconfig

(2) fontconfig フォルダ内には以下の2つのファイルがあります。

 font-config.xml :フォント構築ファイルのひな型

 font-config.dtd :font-config.xml の定義ファイル

(3) font-config.xml の「font-folder path」タグに、フォントファイルが存在するフォルダパスを記述します。

 (例)

  <font-config>

   <font-folder path="C:\TestFont"></font-folder>

  </font-config>

  1. font-config.xml とfont-config.dtd を任意の場所に配置します。
  2. 環境変数「PTL70_FONT_CONFIGFILE」を作成し、font-config.xml のフルパスを設定します。

2.4. Windows開発環境における環境変数のまとめ

環境変数名

設定値

設定が必要な場合

PTL70_LIC_PATH

ライセンスファイル「ptalic.dat」が存在する

フォルダパス

「PdfTk70.dll」とは異なる場所にライセンスファイルを配置する場合

PTL70_FONT_CONFIGFILE

フォント構築ファイル

「font-config.xml」のフルパス

システムのフォントフォルダとは異なる場所にあるフォントを参照する場合