2. PDF Tool APIの開発環境を整える

ここでは、WindowsにおけるPDF Tool APIの環境整備について説明します。
言い換えれば、サンプルコードをビルドするための下準備です。

詳細なインストール方法についてはライブラリ版マニュアルの『インストール/アンインストール』をご参照ください。

2.1. ライブラリファイル、ヘッダーファイルを配置する

2.1.1. インストーラによる配置

(1) 「Setup-Windows\ AHPDFToolLib_V80_***_x64.exe」をダブルクリックするなどして起動します。
「***」にはR1、MR1などの改訂バージョン名が入ります。

(2) ダイアログの指示にしたがってインストールを行います。

(3) インストール途中に、Microsoft Visual C++ 2022ランタイムライブラリのインストールを促すダイアログが表示された場合は、指示にしたがってインストールを行ってください。

(4) デフォルトのインストール先は以下のフォルダパスです。

{システムドライブ}: \AHPDFToolLib_80

2.2. ライセンスファイルを配置する

2.2.1. インストーラによる配置

  • ライセンスファイル「ptalic.dat」が、インストーラにより以下のフォルダに配置されます。

ライセンスファイルの配置先:{インストールフォルダ}\License

  • 環境変数「PTL80_LIC_PATH」に上記フォルダパスが設定されます。
  • インストールされるライセンスファイルは、インストール後30日間有効の評価版ライセンスです。
    出力PDFに透かしが入るなど、評価版の動作には制限事項があります。
  • 弊社より発行するライセンスファイルで上書きすることで正規版ライセンスに置き換えることが可能です。
  • 詳細はライブラリ説明書に記載の『ライセンスファイルについて』をご参照ください。

2.2.2. インストーラを利用しない配置

  • 配置方法1
    (1) 弊社より発行するライセンスファイルを開発環境の任意の場所に配置します。
    (2) 環境変数「PTL80_LIC_PATH」を作成し、配置したフォルダパスを設定します。
  • 配置方法2
    (1) ライセンスファイルを、PDF Tool APIのモジュールファイル「PdfTk80.dll」と同じ場所に配置します。
    この場合、環境変数「PTL80_LIC_PATH」の作成は必要ありません。

詳細はライブラリ説明書に記載の『ライセンスファイルの参照先指定』をご参照ください。

2.3. フォントの準備

テキスト透かしを挿入したりページ上に文字を描画するには、フォント情報が必要です。

Windows版では、PDF Tool APIはシステムのフォントフォルダに存在するフォントを参照します。

2.3.1. フォントの場所

Windows では、オペレーティングシステムの仕様によりフォントファイルは下記のフォントフォルダに存在しています。

{システムドライブ}:\WINDOWS\Fonts

{システムドライブ}:\Users\{ユーザー名}\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts

上記のフォントフォルダとは異なる場所にあるフォントを参照する場合には、「フォント構築ファイル」を設定します。

2.3.2. フォント構築ファイルの作成

(1) フォント構築ファイルは、下記の場所にあります。

{インストールフォルダ}\fontconfig

(2) fontconfig フォルダ内には以下の2つのファイルがあります。

font-config.xml :フォント構築ファイルのひな型

font-config.dtd :font-config.xml の定義ファイル

(3) 「font-config.xml」の「font-folder path」タグに、フォントファイルが存在するフォルダパスを記述します。

(例):(Windows環境で「C:\TestFont」フォルダを指定したい場合)

<font-config>
 <font-folder path="C:\TestFont"></font-folder>
</font-config>

(4) font-config.xml とfont-config.dtd を任意の場所に配置します。

(5) 環境変数「PTL80_FONT_CONFIGFILE」を作成し、font-config.xml のフルパスを設定します。

2.4. Windows開発・実行環境における環境変数のまとめ

環境変数名

設定値

設定が必要な場合

PTL80_LIC_PATH(※1)

ライセンスファイル「ptalic.dat」の配置フォルダパス

「PdfTk80.dll」とは異なる場所にライセンスファイルを配置する場合

PTL80_FONT_CONFIGFILE(※2)

フォント構築ファイル「font-config.xml」のフルパス

システムのフォントフォルダとは異なる場所にあるフォントを参照する場合

PTL80_ICCPROFILE_PATH(※3)

カラープロファイル
「sRGB2014.icc」「JapanColor2001Coated.icc」の配置フォルダパス

「PdfTk80.dll」とは異なる場所にカラープロファイルを配置する場合

PATH

「PdfTk80.dll」をはじめとしたモジュールファイルの配置パス

インストーラ実行時にダイアログで「環境変数に追加する」を指定しなかった場合

Windows開発・実行環境では上記の環境変数が必要です。

※1
[PTL80_LIC_PATH]に関してはライブラリ版マニュアルの『ライセンスファイルについて』をご参照ください。

※2
[PTL80_FONT_CONFIGFILE]に関してはライブラリ版マニュアルの『描画とフォント埋め込みに使用するフォントの参照先について』をご参照ください。

※3
[PTL80_ICCPROFILE_PATH]に関してはライブラリ版マニュアルの『カラープロファイルの扱い』をご参照ください。