5. Javaのコンパイルと実行手順

5.1. Java個別のサンプルコードのコンパイル・実行

ここでは、Javaのサンプルコードを指定してコンパイル・実行する方法を解説します。

{インストールフォルダ}\samples\java

5.1.1. Javaコンパイル・実行環境の設定

(1) Javaでコンパイル・実行をする際に必要な環境変数を設定します。
Windows環境に必要なもの(※1)に加えて、Javaでは以下の環境変数も設定される必要があります。

環境変数名

設定値

CLASSPATH

「PdfTkJava80.jar」のフルパス

環境変数をコマンドプロンプト上で指定する場合、以下の例のようになります。
他の環境変数と異なり、CLASSPATHはインストーラによって自動で設定されることはありません。従って、手動での設定が必要です。

> set PATH=C:\AHPDFToolLib_80\bin;%PATH%
> set PTL80_LIC_PATH=C:\AHPDFToolLib_80\License
> set PTL80_FONT_CONFIGFILE=C:\AHPDFToolLib_80\fontconfig\font-config.xml
> set PTL80_ICCPROFILE_PATH=C:\AHPDFToolLib_80\icc
> set CLASSPATH=C:\AHPDFToolLib_80\bin\PdfTkJava80.jar;%CLASSPATH%

(※1)
Windows環境で必要な環境変数の詳細は『2.4 Windows開発・実行環境における環境変数のまとめ』をご参照ください。

注意:アプリケーションサーバにおけるJava使用上の注意

TomcatなどのアプリケーションサーバにおいてJavaインターフェイスを使用する場合、「PdfTkJava80.jar」をWEBアプリケーションの「WEB-INF/lib」に置かないようにしてください。
代わりに、システムクラスローダなどロードが一度だけ行われるクラスローダで読み込ませるように設定してください。

JavaVMでは、仕様によりJNIのネイティブライブラリは複数のクラスローダから読み込めません。そのため、各WEBアプリケーションディレクトリにPdfTkJava80.jarを置いた場合、複数のWEBアプリケーションから使用することができなくなります。
システムクラスローダの利用はこれを防ぐための措置となります。

5.1.2. サンプルコードのコンパイル

ここではJavaサンプルコードのコンパイル・実行をコマンドプロンプト上で実行する方法を解説します。

以下は、サンプルプログラム「GetDocInfo.java」をコンパイルして実行する例です。

(1) カレントディレクトリをサンプルコードの配置フォルダに切り替えます。

> cd C:\AHPDFToolLib_80\samples\java

(2) コンパイルしたいjavaファイルを指定し、コンパイルします。

> javac -encoding UTF-8 GetDocInfo.java

5.1.3. Javaサンプルの実行

Java実行に必要な環境変数等の設定は『5.1.1 Javaコンパイル・実行環境の設定』をご参照ください。

(1) サンプルを実行するためにはコンパイルされたclassファイルをパッケージフォルダに移動する必要があります。
具体的には、サンプルコードでは「package Sample;」が定義されています。そのため、本例では「GetDocInfo.class」を「Sample」フォルダに移動します。

上記操作は例えば、以下コマンドで実現可能です。

> md Sample
> move GetDocInfo.class Sample\GetDocInfo.class

(2) コンパイルしたclassファイルを実行します。

java Sample.GetDocInfo in.pdf

注意:
javaコマンド実行時、カレントディレクトリはパッケージフォルダの上の階層である必要があります。
例えば、classファイルを移動した[Sample]フォルダが[C:\test]に配置されている場合、
実行時のカレントディレクトリは[C:\test]である必要があります。[C:\test\Sample]ではありません。

5.2. 同梱のJava実行用バッチファイルについて

PDF Tool APIのサンプルフォルダにはJavaインターフェースでサンプルプログラムを簡易に実行するためのバッチファイル「samples-java.bat」が同梱されています。

{インストールフォルダ}\samples

5.2.1. バッチファイルの操作方法

本項では、バッチファイルの簡易な実行方法を解説します。

(1) 実行したいサンプルプログラムを引数に指定し、コマンドラインから「samples-java.bat」を呼び出します。

> samples-java.bat ImageToPdf

実行が完了すると完了メッセージが出てバッチファイルが終了します。

(2) バッチファイルと同じ階層に以下のフォルダが生成され、各実行結果が出力されます。

  • 「Sample」フォルダ:コンパイルされたclassファイルの格納先
  • 「java-out」フォルダ:実行結果の出力先
    サンプルプログラムで処理されたPDFなどが「(プログラム名)_out」の名前で出力されます。
  • 「java-out-ExtractPage」フォルダ:サンプルプログラム「ExtractPage」専用の出力先