Office文書のPDF化をマルチプロセスで出力可能 並列処理で処理時間を短縮
PDF Driver APIによるOffice文書のPDF化
『Antenna House PDF Driver API(PDF Driver API)』は、Microsoft Word・Excel・PowerPoint(Microsoft Office文書)や、ジャストシステム一太郎の各アプリケーションを利用してPDFを出力します。基本的な特長を以下にご紹介します。
Office文書をPDF生成する仮想デバイスドライバ&ライブラリ
『PDF Driver API』はMicrosoft Office文書やジャストシステム一太郎のCOMを利用することでPDF出力を行うライブラリを用意しています。なお、テキスト形式のファイルも、Microsoft Wordの環境を利用することでPDF出力のオートメーションを行うことが可能です。
システムにPDFを出力する処理を検討されている場合は、『PDF Driver API』を組み込むことで、API呼び出し側は簡易かつ柔軟な仕様でPDF出力を実装することができます。
仮想デバイスドライバのカスタマイズを行うことで、より柔軟なオートメーションを実現することが可能です。例えば、PDFで出力する際のファイル名を、プログラミングによる連番発行や、処理に応じた特定の文字列を生成するといった実装が可能となります。
他にも、印刷の際には、通常印刷プロンプトから実行を行い、さらにPDF出力の場合は保存先指定のプロンプトも表示されます。これらプロンプトの表示を、『PDF Driver API』によって抑制することで、印刷実行からPDF保存までのスムーズな自動化が可能となります。
コマンドラインを使用してPHP、Pythonなどからの利用も可能
『PDF Driver API』はコマンドラインからの実行も可能です。本格的なプログラミング環境に限らず、スクリプト言語のPHPやPythonからの呼び出しはもちろん、タスクスケジューラーやRPAからのバッチ処理を実行することも可能です。
PDFのオートメーション出力が、複雑なプログラミングなどを行うことなく、少ない工数で実現できます。コマンドラインでの実行は非常にシンプルであり、高度な知識がなくても手軽に実装出来ますので、幅広く活用できる仕組みを構築できます。
マルチプロセスでの出力
『PDF Driver API』は、仮想デバイスドライバを複数用意することにより、複数のプロセスによる並列出力処理を行うことが可能です。WordとExcelといった異なるアプリケーションの同時出力、あるいは複数ユーザからの同時処理も可能です。
PDFを生成する既存のプリンタドライバの場合は処理待ち時間が発生したり、処理エラーが発生した場合に後続処理が停止したままになってしまったりといった、対処に困るケースがあります。このような課題にも、『PDF Driver API』を活用することで解決することができます。
PDF Driver APIに関するより詳細な情報
ここまでは基本的な『PDF Driver API』の概要について説明しましたが、ここからはより詳細な要件についてご紹介します。導入に向けて検討されている方に向けて、機能や制限事項などの情報をまとめました。
PDF Driver APIはMicrosoft Office等のコンポーネントが必要
『PDF Driver API』は、Microsoft Officeやジャストシステム 一太郎のCOMコンポーネントを使用してPDF出力を行うため、実行環境上にはMicrosoft Officeやジャストシステム 一太郎のライセンスとインストールが必要となります。
特に複数人で同時実行するような環境にあたっては、ユーザ数・デバイス数に関して適切なライセンスであることを必ずご確認ください。
なお、アンテナハウスではMicrosoft Officeコンポーネントを使わず独自処理で出力可能な『Office Server Document Converter(OSDC)』も用意しています。
『OSDC』の場合、実際のアプリケーション出力や、各アプリケーションのCOMを使用する『PDF Driver API』と異なり、文書によっては、各アプリケーションが想定した通りの出力にならない場合もあります。実行環境や要件に合わせて導入をご検討ください。
PDF/A(PDF/Archive)への変換について
国際基準ISO19005に準拠したフォーマットであるPDF/Aは、PDFの長期保存を目的とした規格であり、特に日本国内においては、2022年の改正電子帳簿保存法への適用に向けて関心が高まっています。
『PDF Driver API』では、Microsoft Officeや一太郎文書のPDF/A-1b、PDF/A-2bへの自動変換が可能です。法改正に伴う文書保管のシステムの改修を計画されているのであれば、ぜひ『PDF Driver API』の変換機能をご検討ください。
対応しているフォーマットは、PDF/A-1b(ISO19005-1のレベルB)、PDF/A-2b(ISO19005-2のレベルB)です。今後のバージョンアップにより、対応フォーマットは変更する可能性もありますので、最新の状況をご確認したい場合は弊社公式サイトまたは営業窓口までご確認ください。
PDFへのセキュリティ設定付与
PDF出力に様々なセキュリティ機能を付与することができます。オープンパスワードやPDFの仕様で定められている印刷制限・コピーペースト制限などを設定することが可能です。
これらの処理は、PDF出力時や変換時に個別で設定することが容易できますが、プログラムに組み込むことで一括指定することも、処理内容に応じてカスタマイズして設定することも可能となります。
PDFファイルのセキュリティについては、DXやテレワークの推進などで、社内のアクセス権だけで制限することは難しい状況になってきていますので、適切なセキュリティを、ファイル単位で、作業側の負担を増やすことなく実行できる手段の一つとして求められる要件となります。
これらセキュリティ対策の一つとしても『PDF Driver API』の導入やシステム改修の要件としてご検討ください。
プログラム側での印刷完了の検出
システムやプログラミングで組み込むにあたり、ファイル出力の完了を待って後続の処理を行うことや、継続的にPDF出力を行うような運用が想定されます。そのためには、印刷の完了、すなわちPDF出力の完了をプログラム側で検出する必要があります。
『PDF Driver API』では、変換を行う関数の制御が戻ってきたときが印刷の完了です。したがって、プログラムではPDF出力する関数を呼び出すだけです。複雑な印刷制御の処理は必要ありません。
Microsoft PowerPointのPDF出力や、制約事項について
Microsoft PowerPointはプレゼンテーションのためのソフトウェアの為、PDFに出力する場合にはいくつかの方法が存在しますが、『PDF Driver API』を使用した場合は「標準」レイアウトとなり、「ノート」に記載されている情報の出力に対応していない点にご注意ください。
なお、「標準」レイアウトであればPDF/Aフォーマットの自動変換も可能です。
『PDF Driver API』ではVisioファイル、DocuWorks形式には対応しておりません。DocuWorksについては『Office Server Document Converter』や『PDF Server』など他製品で対応している場合があります。
また、クラウドでも動作するMicrosoft OfficeのサブスクリプションサービスでもあるMicrosoft365につきましては2022年7月現在対応検討中となっております。
Microsoft365導入端末では、Microsoft Office文書系のCOMが動作しない可能性がありますので、別途サポートしているMicrosoft Officeの導入をお願いいたします。
その他、『PDF Driver API』に関する制約事項についてご確認したい場合は弊社営業窓口までご連絡ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。『PDF Driver API』を用いた処理のオートメーションにより、現在PDF出力に関する課題をお持ちの場合、ぜひ『PDF Driver API』の機能をご参照の上、ご検討ください。
ここに記載した以上の機能仕様や実現可能性、制約事項について確認したい場合はお気軽に弊社営業窓口までお問い合わせください。
また、アンテナハウスでは『PDF Driver API』以外にもPDFファイル変換、オフィス文書ファイル変換やオートメーションといった業務の改善・課題解決に関する多種多様なソリューションやパッケージ製品をご用意しております。
これから新たに構築するシステム、現在運用中のシステムの改修、運用方法の改善などの課題に関する様々なソリューションを提供可能ですので、ぜひ弊社公式サイトをご確認いただくか、営業窓口までお気軽にご相談ください。
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