システムにPDF自動処理やビューワーを追加、PDFを今より活かすシステムへ
PDF表示・テキスト抽出・自動印刷…システムによりPDFを!
各種帳票の電子化や働き方の変化といった流れで、PDFファイルが活用される場面が増えています。環境に依存せず参照可能でありながら、内容を変更しにくく、セキュリティの観点からもPDFは今後も幅広く利用されていくことでしょう。
既にPDFの出力等に対応したシステムを運用している場合や、開発会社としてお客様へ提供しているみなさまにとって、PDFを使用するシステムを、より便利に、より効率的に活用するための改善や課題をお持ちではないでしょうか。
ここでは『Antenna House PDF Viewer SDK(PDF Viewer SDK)』の基本的な機能や特徴をご紹介いたします。ご紹介する機能に、保有するシステムの成長や改善、課題解決につながれば幸いです。ぜひ、ご一読ください。
Antenna House PDF Viewer SDKの基本情報
『PDF Viewer SDK』は、C、C++、.NET6/.NET Framework 、ActiveX※の開発環境に対するWindows向けSDKです(※ActiveX開発環境での利用には制限事項がありますので詳細は公式サイト等でご確認ください)。
PDFを展開し、システム上での通常表示、サムネイル表示といった基本的な閲覧機能だけではなく、表示したPDFの印刷ダイアログからの印刷実行、PDF内のテキスト検索、PDFの画像変換など、様々な機能をシステムに実装することが可能となります。
システム上でのPDFファイルの操作にご不満な場合や、別途ツールを使用しなければ実現しなかった機能がある場合は、ぜひ導入を検討してみてください。
PDF Print KitとPDF Viewer Kitについて
『PDF Viewer SDK』には ライセンス形態が異なる2種類の製品があります。実際にご利用する環境に合わせて選択ください。
Antenna House PDF Print Kit(PDF Print Kit)
PDF Print Kitはサーバーライセンスです。サーバーサイドでPDFの印刷やデータの抽出、画像変換といった処理を行う場合に適しています。
これらコマンド処理や自動化を行うことのできるコンポーネント「PDF Viewer API」を含むライセンスです。アンテナハウスの製品『PDF Tool API』等と組み合わせることで、より柔軟にPDFの加工・編集等、及び、自動化を実現することが可能です。
Antenna House PDF Viewer Kit(PDF Viewer Kit)
PDF Viewer Kitはスタンドアロンライセンスです。主にクライアントアプリに対してPDF閲覧・文字列抽出等のGUIコントロールを提供する「PDF Viewer Ctrl」をコンポーネントに含みます。
PDF Print Kitの「PDF Viewer API」も含みますが、PDF Viewer Kitの場合、ネットワーク上の他のコンピューターからコールして処理を行うことはできないため、小規模なスタンドアロンツールで自動実行・変換処理を行うなどで利用が可能です。
特徴的な機能について
『PDF Viewer SDK』では以下の2つのソフトウェアコンポーネントを含みます。
PDF Viewer API
PDF表示、描画、印刷、出力といった自動処理・一括処理の機能を持ったライブラリーです。
PDFをシステム内で開き、文書情報を取得し、印刷を実行するといった基本的な操作から、PDFの画像変換(JPEG、TIFF、PNGなど)や文字列の検索を実行、ウォーターマークを設定することも可能です。
PDF Viewer APIは「PDF Print Kit(サーバーライセンス)」「PDF Viewer Kit(スタンドアロンライセンス)」両方のライセンスで使用することができますが、PDF Viewer Kitの場合はスタンドアロン実行となり、他のコンピューターと接続して機能を使用することはできません。
処理を集約したり、一括自動処理を行ったりといった用途には、「PDF Print Kit」によるサーバーサイドでの処理をご検討ください。
PDF Viewer Ctrl(PDF Viewer Kitのみ)
.NET6/.NET Framework のWindowsフォームやActiveXコントロールとして開発されており、現在のシステムにコントロールを貼り付けるだけでPDFビューワーが開発できるライブラリーです。PDF Viewer Ctrlは以下のコントロールで構成されます。
- PDFPageViewCtrl…PDFの表示操作、注釈の作成・編集
- PDFThumbnailCtir…サムネイル表示、ページ操作・編集
- PDFOutlineCtrl…しおり表示
PDFビューワーとしての表示・ページ遷移・拡大縮小といった基本的なインターフェースの提供だけではなく、表示方法を画面幅に合わせる・ページに合わせるビューモードの指定、選択モードをテキスト選択からハンドツールなどの別モードへの切り替えをする機能、検索機能や印刷ダイアログの表示など、標準のPDFビューワーに搭載されているような機能を、ライブラリーを使うことでシンプルに実装することが可能となります。
PDF Viewer SDKをつかって実現できること
ここまでは『PDF Viewer SDK』の基本的な機能についてご説明しましたが、ここからは実際に『PDF Viewer SDK』を活用した実装の例をご紹介いたします。実装サンプルや運用例は、ここで紹介する以外にも様々に存在しますので、実現可能かどうかについてお悩みの場合は、お気軽に弊社営業窓口までご相談ください。
PDFの印刷機能を実現、印刷処理の自動化
『PDF Viewer SDK』が最も活用される場面は、PDF印刷機能を手軽にシステム上に実現できることと、印刷処理を自動化できることにあります。
PDFを活用するシステムはますます増えていく傾向にありますが、システム上で印刷プレビューを行う場合などは、通常はレポーティングの機能を使って独自に実装する必要がありました。
『PDF Viewer SDK』を使うことで、複雑な実装をすることなく、既存のシステムにPDFビューワーの機能や印刷実行の機能を追加することができます。
サーバーサイドでは、PDFの一括出力・自動出力といった機能を備えることが可能です。PDF出力をするためにクライアント側に依存すると処理性能によっては時間がかかるといった場合もあります。
『PDF Viewer SDK』(PDF Viewer API)を使うことで、システムからのPDF出力を自動化し、所定の出力先へ保存するような実装を行うことで、より効率的なPDFの処理を行うことが可能となります。
ブラウザやReaderで表示できないセキュアなPDFリーダー
PDFファイルそのものにパスワードを付けることで、閲覧できるメンバーを限定するというセキュリティ方法があります。
PDFから指定されたパスワードを抽出することは現実的に不可能なためファイル自体のセキュリティは堅固ですが、万が一PDFに設定されたパスワードが流出した場合(例えば人づてやメールの誤送信など、アナログな方法によって)、ファイル単位でPDFのパスワードを変更することは非常に困難です。
このようなイレギュラーなトラブルだけではなく、人事異動など正規の手続きによってアクセス権が変更された場合にPDFパスワードを随時変更することができないため、通常はファイルサーバーなど保存先のアクセス権によって制御することとなりますが、いずれにしても対策が必要なリスクです。
『PDF Viewer SDK』を利用して、PDFファイル自体にパスワードはかかっているものの、PDFパスワードはシステム内部に保存し、システム側が適切にアクセス権を判断して閲覧できるユーザーを制限するといった、 専用のビューワーを構築するという仕組みが可能です。
『PDF Viewer SDK』だけで実現することはできませんが、使用ユーザーと対応するパスワードを抜き出すアプリケーションを作成し、PDF Viewer Ctrlを使用してシステム専用のビューワーを作成することが可能です。よりセキュアなPDFの環境を構築したい場合はぜひ導入をご検討ください。
特定文字をハイライトしてPDF文書の検索を容易にする
PDF自体は無償の閲覧ソフトやブラウザでも閲覧することができ、環境依存が少ないという利点はありますが、システムで閲覧するPDFはより高度な機能を組み込むことが可能です。
例えば、閲覧するPDFで特定の文字を指定しておき、ハイライトで表示させることで業務効率を高めるといったカスタマイズが可能となります。
複数ページの特定箇所を業務で必要としているのに、毎回手作業で検索・ページ送りをするといった作業をせず、ビューワーもシステムに実装するからには可能な限り自動化をすることで、ユーザー作業の省力化・作業品質の向上に寄与することができます。
アンテナハウス製サービスとの併用によるさらなる応用
アンテナハウスでは、PDFやOffice系文書ファイルに関する数多くのソリューションがあり、『PDF Viewer SDK』だけではなく、さらに他の製品と組み合わせることで、より高度な要件や課題解決の実現をすることが可能です。
『PDF Viewer SDK』と特に相性が良いのは『Office Server Document Converter』や『PDF Tool API』です。
Office Server Document Converter(OSDC)
Microsoft OfficeのWord・Excel・PowerPointを、独自処理でファイル解析し、PDFや画像ファイルに変換することができるライブラリーです。
『OSDC』を実行するサーバー側にはOffice製品ライセンスは不要です。『OSDC』と組み合わせることで、サーバー上でOfficeファイルをPDFに変換し閲覧、印刷の自動実行をするといった一連の流れを自動化することができます。
PDF Tool API
PDFの結合や分割、画像ファイルからのPDF変換、セキュリティ付与などのPDFの様々な処理を提供するライブラリーです。
複数のサブシステムからPDFが生成される場合、『PDF Tool API』で適切なページを選択して結合したり、大きなPDFファイルを必要最低限のページに分割して各業務分担に配布したりといった対応が可能です。
『PDF Tool API』と組み合わせることで、より柔軟なPDFの処理の自動化が実現できるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。PDFにかかわる作業の自動化や作業効率の良いビューワーの作成といった役に立つ機能の実装やシステムの改善に役立つ機能があれば、ぜひ導入のご検討をお願いいたします。
ここに記載した以外にも『PDF Viewer SDK』の活用方法や機能に関する詳細を確認されたい場合は、公式サイトをご確認いただくか、弊社営業窓口までお気軽にご相談ください。
また、アンテナハウスではPDF処理以外にもオフィス業務の効率を改善・課題を解決できる様々なサービスやソリューションを提供するソフトウェアをご用意しています。業務の課題解決でお困りの際には、ぜひアンテナハウス製品群をご参照いただき、改善にお役立ていただければと思います。
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