Antenna House FormatterJATS を組版する XSLT スタイルシートのご紹介
記事更新:2015年4月23日
JATS とは
JATS とは学術情報誌(ジャーナル)を記述するための XML タグセットです。JATS のベースとして NLM DTD というものがあったのですが、これに多言語サポートを強化したものが JATS です。国内での電子ジャーナル公開システムの代表的なものとして科学技術振興機構の J-STAGE がありますが、この J-STAGE で 2012年 5月より JATS DTD で書かれた論文の受付が始まっています。
JATS の PDF 化
JATS DTD に沿って書かれたジャーナルを PDF にする手順は下記の図のようになります。
最初のステップでは JATS で書かれたジャーナルと XSLT スタイルシートを使って XSL-FO を作っています。この XSL-FO を使って 2番目のステップで PDF を作っています。
JATS を組版する XSLT スタイルシート
上記の最初のステップで使用する XSLT スタイルシートをアンテナハウスはオープンソースとして公開します。ここでダウンロードできる XSLT スタイルシート(のセット)は下記の 3ファイルです。
- jats-xslfo.xsl
- xhtml-tables-fo.xsl
上記 2つのファイルは JATS Preview 用のスタイルシートです。Wendell Piez 氏が作ったもので、Public Domain として公開されているものです。若干の不具合をアンテナハウスが修正しています。オリジナルは以下のウェブページ(GitHub)でご覧になれます。
→ JATS Preview Stylesheets - jstage3-xslfo.xsl
アンテナハウスが開発したスタイルシートです。上記の Wendell Piez 氏のスタイルシートを import しています。
各ファイルの関連を図式化すると次のようになります。
→ JATS を組版する XSLT スタイルシートのダウンロード(zip;42KB)
実行に必要なもの
JATS DTD に沿って書かれたジャーナルを PDF にするために必要なものは下記になります。
- JATS DTD に沿って書かれた XML データ
- ここで公開している XSLT スタイルシート
- XSLT2.0 対応のXSLTプロセッサ(Saxon 等)
- FO レンダリングエンジン(『Formatter』)
実行例
実行は以下のステップで可能です。
- java -jar C:¥saxon¥saxon9.jar -s:JATSジャーナル.xml -xsl:jstage3-xslfo.xsl -o:temp.fo
- ahfcmd.exe -d temp.fo -o JATSジャーナル.pdf
※ 実行環境に合わせて環境変数等の設定を行ってください。
応用例
Tony Graham 様
XSL-FO の第一人者である Tony Graham 様が「Journal Article Tag Suite Conference (JATS-Con)」で発表した JATS 組版の論文「Formatting JATS: as easy as 1-2-3」を、許可を得て翻訳した「JATS組版:3つ数えるくらい簡単」をご用意しました。
中西印刷株式会社様
『Formatter』の導入事例紹介ページに中西印刷株式会社様の事例「AH Formatter を使った日本語全文 XML(JATS)組版」を追加しました。
中西印刷株式会社様、ご協力ありがとうございました。
2015年4月21日に開催された「JATS-Con 2015」で、中西印刷株式会社様が、「Creating JATS XML from Japanese language articles and automatic typesetting using XSLT」を発表されました。