Antenna House FormatterWord(docx) 出力オプション
Word(docx) 出力オプション概要
Word(docx) は、WordprocessingMLというXMLで表現されます。 WordprocessingMLは、Office文書のWordを表現するためのXMLです。 このOffice文書のXMLは、OOXML(Office Open XML)と呼ばれ、Standard ECMA-376 で規定されています。 WordprocessingMLとFOが表現する文書モデルは大きく異なっています。そのため、すべてのFOを正確にWordprocessingMLとして出力することはできません。「Word(docx)出力オプション」は、比較的シンプルな構造の文書をWordprocessingMLとして出力します。
制限事項
FOからの出力のみができます。エリアツリーやHTMLからの出力はできません。
WordprocessingMLには、基本的には段落 <w:p> と表 <w:tbl> しか文書構造がありません。それらが <w:body> の下にフラットに並んでいるだけです。<w:p> は入れ子にすることができません。FOではブロックを任意に入れ子にできますが、それは、フラットな構造に展開されます。そのため、次のような入れ子のボーダーなどは、FOと同じにはなりません。
<fo:block border="solid 5pt red"> Hello, <fo:block border="solid 5pt green"> こんにちは </fo:block> World! </fo:block>
WordprocessingMLの表 <w:tbl> は、<fo:table-and-caption> のように表とそのキャプションを関連付ける機能がありません。キャプションは表とは独立に生成されます。
表を回転させることはできません。
ボーダーは、WordprocessingMLで表現できる罫線のどれかになります。 Wordでは、隣り合う段落(ブロック)の罫線が同じときは、それをマージしてしまいます。隣り合う段落(ブロック)に同じ罫線を独立に引くことはできません。 対角罫は反映されません。
Word がサポートしていない画像形式は反映されません。
最初の <fo:page-sequence> の背景色、背景画像が文書の背景色、背景画像となります。
<fo:region-*> に指定された背景やボーダーは反映されません。
上付き、下付きは、単純にフォントサイズとベースラインの調整がされるだけで、その意味は失われます。
Formatter は、リガチャなど複雑なフォント処理をして、グリフとしてPDF出力などを行います。Word(docx)出力では、それらの処理をWord自身に任せるためにリガチャなどは一切せず、文字列のまま出力されます。複雑なスクリプトのときも同様です。
トンボは反映されません。
すかしは反映されません。
行番号は反映されません。
改訂バー(fo:change-bar-* 含む)は反映されません。
圏点は、WordprocessingMLで表現できる圏点のどれかになります。
テキストシャドウは反映されません。
ボックスシャドウは反映されません。
注釈は反映されません。
<fo:region-before> はヘッダとみなされます。<fo:region-after> はフッタとみなされます。<fo:region-start> と <fo:region-end> は捨てられます。
Wordのヘッダフッタは、偶数奇数ページ、先頭ページの制御しかできません。FOでのそれら以外の複雑な <fo:page-sequence-master> には対応していません。
脚注は、axf:footnote-stacking="block"、axf:footnote-position="page" とみなされます。傍注などには対応していません。
見開きページマスタは出力できません。
絶対位置へのフロートはできません。
<fo:inline-container> に相当する機能がWordprocessingMLにはありません。<fo:inline-container> 中に複雑な文書構造(例えば表など)を表現しても、インライン要素のみが取り出されます。
<fo:block-container> に相当する機能はWordprocessingMLにはありません。<fo:block-container> は、1セルの表を使って代用されます。 入れ子の <fo:block-container> には対応していません。 <fo:block-container> に指定した段組は反映されません。
価格
本オプションは現在無償でご利用いただけます。 ご希望のお客様は、弊社保守サービス(hosyu@antenna.co.jp)宛にユーザID とシリアル番号を記載の上、お申し込みください。 なお、本オプションはその動作に関して一切のサポートをいたしません。ご理解の上、ご使用ください。 機能追加のご要望等ございましたら、営業窓口へお問い合わせください。