Office Server Document Converter 機能紹介:新機能と変更点

Office Server Document Converter V11.0 で強化された機能についてご紹介します。
新機能
索引から本文の索引語へのハイパーリンク化
Word(docx)からPDFへの変換時、Wordで作成した索引ページのページ番号に本文で索引登録した単語や用語(索引語)へのハイパーリンクを張ります。
-indexhyperlink 値(コマンドラインの例)
値 | 意味 |
---|---|
1 | 先頭ページから索引ページまでの索引語へリンクを張ります。 |
2 | 索引ページより後のページにある索引語にもリンクを張ります(処理時間は倍になります)。 |


Wordで作成される索引にはハイパーリンクは付きません
-
Microsoft Word(docx)では「索引の挿入」で、本文中の「索引登録」した文字列(索引語)と掲載ページ番号を集めた索引を作成できます。
索引での表示や形式などは指定できますが、索引と本文の索引語を結びつける(ハイパーリンクを張る)機能はWordにはありません。 また、WordからPDF/HTML出力した場合でも索引は紙面印刷状態のまま出力されページ番号から索引語を参照させることもできません。
OSDCを使えば、Wordから出力したPDFに索引から索引語へハイパーリンクを付けられます!
制限事項
- 索引のページ番号はPDF出力時の索引語のページ位置で作成します。改ページ位置の違いによりWordの索引のページ番号と同じにならない場合があります。
- 索引語が同一ページに複数ある場合、索引に同じページ番号を複数出力します。
- 索引にて複数の索引語が1行にまとめられている場合、先頭の索引語のみ出力され後続の索引語は出力されません。 (例:「あ…1 い…3 う…5」⇒「あ…1」)
- 縦書き文書では、索引語へのリンク先の位置が正しく出力されない場合があります。
- 文書内に「索引登録」で作成される索引フィールドが連続して挿入されている場合、最後の索引フィールドのみ有効となります。
- 索引フィールド内部がダブルクォート("")ではなくダブルコーテーション(“”)で囲まれている場合は、索引が正しく出力されない場合があります。
- 索引フィールド内部が手入力で編集されている文書は、索引が正しく出力されない場合があります。
ワードアートの表示を改善
ワードアートの文字効果「変形」が再現できるようになりました。
ダイナミックな文字の動きをそのままPDFに表現します。 PowerPoint(pptx形式)で作成したワードアートをそれぞれOSDC V10.0 と OSDC V11.0で変換した際の描画した違いは次のとおりです。 OSDC V11.0 からワードアートの描画機能を変更したため、V10.0以前の描画結果と異なる場合があります。 ※[図形の書式]-[ワードアートのスタイル]:[文字の効果]:[変形]のうち、[枠線に合わせて配置]はPDF以外は正しく出力されない場合があります。
OSDC V11.0 と OSDC V10.0 のワードアートの描画結果の比較
オプション設定ファイルの「textwarp」属性
ワードアートの描画を古いバージョンと同じにするには、オプション設定ファイルで「textwarp」属性を指定します。
<?xml version="1.0"?>
<formatter-config>
<dfv-settings textwarp="0"></dfv-settings>
</formatter-config>
OSDC V11.0 の未実装の機能
Direct2D対応のオプションを追加
ラスターイメージへの変換時、Direct2dを使用する場合に指定します。Windows版以外では無効な機能です。
コマンドラインのパラメータ
- -direct2d
GDIで出力した場合と出力結果が異なる場合があります。
チャートの表示を改善
データラベルの凡例マーカーをレンダリングするために必要な処理を追加しました。
.NETインターフェイスにイベント「OnFormatPage」を追加
組版中に組版が完了したページ番号をイベントとして受信することができるようになりました。
「オンラインマニュアル/.NETインターフェイス/イベント」を参照。
変更点
動作環境等
.NETインターフェイスを.NET 6から.NET 8 に変更
- Windows版
- .NET 8
- Microsoft .NET Framework 4.8.x
- Linux版
- .NET 8
Amazon Linux 2023 Graviton2版には .NETインターフェイスは用意されていません。
Graviton2版のOSをAmazon Linux 2からAmazon Linux 2023 に変更
Graviton2版のOSを Amazon Linux 2 から Amazon Linux 2023 に変更し、GCCを GCC 11 に変更しました。
動作には、glibc-2.34, libstdc++6.0.29以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
「Docx2HTML出力版」
docxファイルのHTML変換に特化した「Docx2HTML出力版」の仕様を変更しました。
※「Docx2HTML出力版」は「Docx to HTML V2.0」へバージョンアップ、名称を変更いたしました。
.NETインターフェイスを.NET 6から.NET 8 に変更
- Windows版/Linux版
- .NET 8
Linux版の Gcc を Gcc11 に変更
Office Server Document Converter V11.0 Docx2HTML出力版(Linux版)は、GCC 11 でビルドされています。
動作には、glibc-2.34, libstdc++6.0.29以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
既存バージョンの機能
V11.0 以前のバージョンで新たに実装された機能に関しては、以下のページをご確認ください。