Office Server Document Converter 機能紹介:最新版の新機能と変更点
Office Server Document Converter V11.0 で強化された機能についてご紹介します。
WordからPDFへの変換で索引のページ番号にリンクを付ける機能を追加
Word(docx)からPDFへの変換時、Wordで作成した索引ページのページ番号に出力ページの登録文字列へのリンクを張ります。
-indexhyperlink 値(コマンドラインの例)
- 1: 索引ページまでの登録文字列へのリンクを張ります。
- 2: 索引ページより後にあるページの登録文字列も対応します(処理時間は倍になります)。
OSDC V11.0 で、Word(docx)で作成した索引ページの各索引項目のページ番号にハイパーリンクを付ける機能を追加しました。
Word文書の索引にはハイパーリンクは付きませんが、OSDCを使えば、Wordから出力したPDFに索引からハイパーリンクを付けられます。
制限事項
- 索引はPDF出力時に索引項目のページ位置で作成するため、改ページ位置の違いにより、索引項目のページ番号がWordと同じにならない場合があります。
- 索引項目の文字列が同一ページに複数ある場合、索引項目のページ番号を複数出力します。
- 索引ページにて複数の索引項目が1行に纏められている場合、先頭の索引項目のみハイパーリンクを付けます。
- ダブルコーテーション(")で囲まれた索引項目は、索引が正しく出力されない場合があります。
- 文書内に連続して索引登録が挿入されている場合、後続の索引項目のみハイパーリンク機能が有効となります。
- 縦書き文書では、リンク先の位置が正しく出力されない場合があります。
- 索引フィールド内部が手入力で編集されている文書は、索引が正しく出力されない場合があります。
ワードアートの表示を改善
OSDC V11.0 と OSDC V10.0 のワードアートの描画結果の違い
PowerPoint(pptx形式)で作成したワードアートをOSDC V11.0 と OSDC V10.0で描画した違い
オプション設定ファイルの「textwarp」属性
OSDC V11.0 からワードアートの描画機能を変更したため、V10.0以前の描画結果と異なる場合があります。
ワードアートの描画を古いバージョンと同じにするには、オプション設定ファイルで「textwarp」属性を指定します。
- textwarp:WordArt描画を古いバージョンと同じにする場合は、属性値"0"を指定します。
- 以下は、オプション設定ファイルの例になります。
<?xml version="1.0"?> <formatter-config> <dfv-settings textwarp="0"></dfv-settings> </formatter-config>
OSDC V11.0 の未実装の機能
- [ホーム]-[フォント]:[文字の影]、[蛍光ペン]
- [段落]
- [文字列の方向]:[右へ90度回転]、[左へ90度回転]
- [図形の書式]-[ワードアートのスタイル]:[文字の輪郭]
- [文字の効果]:[影]、[反射]、[光彩]、[面取り]、[3-D回転]
- [図形の書式]-[オブジェクトの回転]:[上下反転]、[左右反転]
- [枠線に合わせて配置]は、PDF以外は正しく出力されない場合があります
Direct2D対応のオプションを追加
ラスターイメージへの変換時、Direct2dを使用する場合に指定します。Windows版以外では無効な機能です。
コマンドラインのパラメータ
- -direct2d
GDIで出力した場合と出力結果が異なる場合があります。
チャートの表示を改善
データラベルの凡例マーカーをレンダリングするために必要な処理を追加しました。
.NETインターフェイスにイベント「OnFormatPage」を追加
組版中に組版が完了したページ番号をイベントとして受信することができるようになりました。
「オンラインマニュアル/.NETインターフェイス/イベント」を参照。
動作環境等の変更点
.NETインターフェイスを.NET 6から.NET 8 に変更
Windows版
- .NET 8
- Microsoft .NET Framework 4.8.x
Linux版
- .NET 8
Amazon Linux 2023 Graviton2版には .NETインターフェイスは用意されていません。
Graviton2版のOSをAmazon Linux 2からAmazon Linux 2023 に変更
Graviton2版のOSを Amazon Linux 2 から Amazon Linux 2023 に変更し、GCCを GCC 11 に変更しました。
動作には、glibc-2.34, libstdc++6.0.29以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
「Docx2HTML出力版」の変更点
docxファイルのHTML変換に特化した「Docx2HTML出力版」の仕様を変更しました。
.NETインターフェイスを.NET 6から.NET 8 に変更
Windows版/Linux版
- .NET 8
Linux版の Gcc を Gcc11 に変更
Office Server Document Converter V11.0 Docx2HTML出力版(Linux版)は、GCC 11 でビルドされています。
動作には、glibc-2.34, libstdc++6.0.29以上で、これらとバイナリ互換性があるライブラリが必要です。
その他
- Office Server Document Converter V10.0 で新たに実装された機能に関しては、「V10.0の機能と特長」をご参照ください。